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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

今週は円高→ユーロドル高→米ドル乱高下?

週初から日銀短観の円高、6日にはECB中銀の金融政策発表、週末には米雇用統計と予断を許せない1週間となりそうである。

★日銀短観の業況判断も改善される模様でドル円の上値が重くなることが必然であると判断するが、当面はゼロ金利の解除が実施されないだけに、米欧との利上げ戦争には追いついていけないのが現実であり、金利差拡大傾向が懸念される以上は、円高局面にも限界があることは否めず、117円割れを想定しても、116円台半ばまでの円高局面とみるのが賢明であろう。

★一方、ユーロドルはECB中銀の利上げが見込まれるが、今回の政策金利では2.5%の据え置きは決定的であるため、大きなインパクトは期待できないが、5月の利上げ実施に向けてのステップ段階として捉え、利上げの準備段階とも言える。
その時のユーロドルのレベルにもよるが、声明文を考慮すれば、一時的なユーロドル高の可能性が秘めている相場であり、声明文の前にはユーロドルロングが相応しい相場である。
しかしながら、ドル円と同様にユーロドルの上昇にも限界があり、1.220を目指す展開が精一杯と言う状況であるため、利益確定の売りも考慮しながらのユーロドルロングが賢明である。

★そして最後に控える米雇用統計に注目せざるを得ないが、今後の米金利にも影響を考慮すると、結果次第では5月の利上げのみならず、その後の利上げまで考えられ、米ドルの急上昇にも繋がる可能性は捨てきれない。
反面、信頼性の乏しい数字であり、期待されるような数字が達成されない時の反動も大きく、週末までにはポジションの縮小を念頭にしたポジションが良策である。
いずれにしても、中国の外貨準備高の調整も含め、各国中銀、及び中東筋の米ドル離れを促進させないためにも、現状では米金利の利上げの火種を消せないのが米国政府の台所事情でもあり、次回5月の利上げまでは、思考錯誤の利上げと打ち止めが繰り返される相場でもある。難易度も臨機応変の超A級とも言える相場である。

*******今週のペットでも判る簡単チャートSummary********
作成年月日 2006年4月02日(土)
この数週間は米ドル高、円高、ユーロドル高と日替わりメニューのように主要3大通貨の
動きが激しいため、想定以上に速い展開で売買シグナルが訪れている。
レンジ相場の典型でもあるが、乖離幅の動きに注視しながら、チャート作成に集中したい。
ドル円 【ユーロドル⇔ユーロ円】
先週117円台半ばからは変更はないが、依然として、現状レベル117.70円でも売りシグ
ナル点灯中である。少な目の始動。
ユーロドル(ドル円−ユーロ円)平均乖離幅24円 現状乖離幅23.85→25.00円)
過去1週間毎の週末の流れを整理すると次のように売り買いが交互と理想的な展開である。
1.1940売り→1.1878買い→1.2045売り→1.1911買い→1.2190売り→1.2030買い。
今週は再度ユーロドル高の局面を迎えており、先週半ばの1.21台後半の機は逸してはいるが、現状1.2124レベルでも売りシグナルが点灯中。
豪ドル(ドル円−豪ドル円 平均乖離幅28円 現状乖離幅34.25→33.35円)
オセアニア通貨が戻りを見せているが、まだ弱さが目立つ。先週は0.7085の買いシグナルが点灯しており、上昇基調になってはいるが、先週同様に現状でも0.7166の買いシグナルが点灯中。少なめの買いでスタート。
NZドル(ドル円−NZ円 平均乖離幅35円 現状乖離幅46.05→45.25円)
チャート上では先週0.6080からの買いシグナルが点灯中、今週も0.6155で買い継続ではあるが、損切りも視野に入れる段階でもあり。弱めの買いシグナルである。
カナダドル(ドル円−カナダ円 平均乖離幅18円 現状乖離幅16.90→16.90)
先週は1.1680で弱めの売りシグナルであったが、今週も乖離幅は変わらず、様子見レベルに到達している。1.1676での様子見継続。
ポンド(ドル円x2−£円平均乖基準離幅25円 現状乖離幅30.30→30.80円)
先週の買いシグナル1.7421から継続中、現状の1.7383レベルで買いシグナルが点灯中。 
スイスフラン(ドル円−スイス円 平均乖離幅23円 現状乖離幅27.90→27.45円) 
先週の売り1.3113が継続中、今週も現状の1.3041でも利益確定も可能であるが、売りシグナルが未だに点灯中。
豪ドル円/NZドル円裁定取引(平均基準乖離幅7.00円 )
過去5年間最大乖離幅12円まで接近中、この1ヶ月間の推移は9.30→10.80→10.75円→11.80円 先週も11.90とまだ拡大中ではあるが、12円前後のレベルが続く展開であれば、裁定取引を再開できる。少なめの始動と3段階のナンピンシナリオが要。
単純加算方式 ユーロ円+ドル円(255円以下は円高&260円以上は円安の目安) 
過去の経緯(255.25円→259.10→261.90→258.95→255.65→256.70→260.75→257.20、先週は117.50+141.35=258.85。今週は117.70+142.70=260.40の円安圏内に突入。ユーロ円売り+ドル円売りの妙味拡大中。
● 欧州通貨ペア(1週間毎の過去の経緯)
ユーロポンド『平均乖離65円 現状乖離幅61.90円』
0.6862売り→0.6898売り→0.6941売り→0.6905→今週0.6974売り継続中
ユーロスイス『平均乖離50円 現状乖離幅52.45円』
1.5639売り→1.5689売り→1.5717売り→1.5775→1.5811 売り継続中
ポンドスイス『平均乖離25円 現状乖離24.10円』
2.2986売り→2.2763買い様子見→2.2641買い→2.2846売り様子見→2.2670買い 
新外為の森 参照
★本ペットチャートでは3段階分散投資をお勧めしています、常に少なめからの
始動をお願いいたします。最終的な投資・運用の判断はご自身の責任で行って下さい。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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