ユーロ悪材料出尽くし感!ドル円78円割れトライも下値限定的?
一部には来週のEU首脳会談までにはスペインは支援要請を表明するとの観測もあり、ユーロドルは1.29台を維持していたが、その後、格付け会社S&Pはムーディーズに続いて、スペインの格付けを「BBBマイナス」へとジャンク級一歩手前の水準まで引き下げたことが嫌気され、ユーロ売りが優先されている。
格下げ問題自体は既成の事実となってはいるものの、格下げを受けて、スペイン国債利回りが再び上昇過程にあり、資金枯渇の恐れがあるスペイン政府は、遅かれ早かれ、支援要請に踏み切らざるを得ないとの観測は根強く、加速的なユーロ売りには繋がってはいないが、上値の重さを再認識せざるを得ない状況にある。
いずれにしても、スペインの支援要請やギリシャに対する次回融資の実行をめぐる不透明感を背景に、短期筋によるユーロの戻り売りが優先されている。
一方、スペインが欧州に全面支援を要請すれば、欧州中央銀行(ECB)による債券買い入れプログラムの実施が可能になるため、市場のコンセンサスも支援材料には反発し易い側面があるため、過度なユーロ売り局面には警戒感を強めている。
他方、米地区連銀報告(ベージュブック)が発表されたが、依然として、経済活動は概して緩やかに拡大しているものの、総じて、各地区とも横ばい状態になりつつあり、雇用情勢にはほぼ変化はない。需要停滞と政策の不透明性が要因と一部で指摘されるなど、先の米失業率の低下数値を裏付ける状況には至っておらず、米国経済も欧州並びに中国の経済情勢を睨みながら、低金利政策に特化せざるを得ない状況にあり、リスク回避のドル買いにも限界が垣間見られる。