世界的減速懸念強まる!ユーロ戻り売り優先の展開?
IMF(国際通貨基金)が世界の経済成長見通しを下方修正する中、急激な景気下振れリスクも指摘したほか、欧州の政策当局者が債務危機を阻止するとの公約を守れない場合、欧州の銀行は2013年までに最大で4兆5000億ドルの資産売却が必要になる可能性があるとIMFが試算、この数字は今年4月時点より18%増加しており、相対的に先行き不透明感が一層高まり、再度リスク回避の動きが優先されている。
一方、昨日はメルケル独首相がギリシャを訪問し、サマラス首相と会談を行ったが、その後の記者会見ではギリシャの改革案の進行に歓迎の意を表明していたものの、特に、具体的な支援策の実施には言及しなかったことを受けて、相対的にユーロの失望売りを助長させており、ユーロドルは1.29割れの展開を強いられている。
他方、ドル円は相変わらず、リスク回避の円買いと円売り介入への警戒感から、78円台前半で終始しているが、ユーロ経済の信用不安のみならず、中国経済の減速懸念が加わったことで、総じて、円買い志向は強まりを見せている。それ故に、現時点では、円売り介入が政府日銀の単独介入になる可能性が高い以上、当面、ドル円77円割れをみるまでは、本格的な介入実施に踏み切れないとの声は少なくない。ただ、IMFが邦銀の日本国債の大量保有に懸念を示しているように、一方的な円買い局面になる可能性は低く、77.50〜79円のレンジ幅で売買を模索することが一考であろう。