休場明けも試行錯誤の展開
先週末に発表された米雇用統計で非農業部門雇用者数(NFP)は11.4万人増と予想範囲内だったものの、前回値が9.6万人増から14.2万人増に大きく上方修正される中、失業率が7.8%と4ポイントの大幅改善となったことを受けて、NYダウ平均がFOMC後の高値を更新するなど、総じて、リスク回避志向が和らぎつつある。一時ユーロの買い戻しが優先された格好であるが、為替市場が日米とも3連休を控えている関係もあり、積極的なポジショニングは手控えられている。市場は改めて、欧州重債務国への支援策が難航している現状を踏まえ、ユーロは一過性の上昇にとどまっている。
一方、米失業率が2009年1月のオバマ政権発足以来の水準までサプライズ的に改善しているものの、早くも、11月の大統領選挙に向けた選挙絡みの改善数値であるとの憶測など、懐疑的な点も多々あるため、ドルの買い戻しも限定的になっているが、ラホイ・スペイン首相が「救済に関しての決定はない」と発言したほか、アスムセンECB理事が「ECBはギリシャの債務返済期限の延長をできないし、金利引き下げもできない」との見解を示したことなどがユーロの下げ要因になっている。
他方、ドル円は、米失業率の結果発表後に79円台に迫る展開を見せたものの、同レベルでは利益確定や実需の売りが優先され、再度78円台前半まで上げ幅を解消するなど、78〜79円のレンジ相場の域を脱しきれない状況にあり、同レベルからの逆張り待機が一考であろう。