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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

米雇用統計・日米3連休で調整色強まる!ユーロドル1.30台で警戒感強まる?

欧州中銀ドラギECB総裁がユーロは後戻りできないとした他、新債券買い入れプログラムの決定が、ここ数週間の緊張を和らげていると指摘している。
ECB理事会で金利据え置きは全会一致で決定、特に利下げに対する議論はなかったことを改めて言及する中、条件が整えば、ユーロ圏重債務国の国債利回りの低下に向けた国債買い入れを開始する用意を示したことが好感されており、ユーロは損失確定買いを巻き込み1.3000台を回復している。

一方、EU関係筋からは、先にスペイン政府が予算案で示した2013年の財政赤字をGDP比4.5%に削減するという見通しはかなり楽観的であり、目標達成に懐疑的な見方を示しているように、今後実施される債券購入プログラムは端に延命措置に過ぎないとの声も聞かれるなど、依然として、ユーロの買い戻しは限定的と見なした方が得策であろう。

他方、FOMC議事録においては、金融市場と実体経済に対する追加資産購入の効果は不透明であり、金融緩和策が景気加速に役立つかどうか懐疑的であるとし、相対的に金融政策に対する不透明感は拭えない状況にある。ただ、追加支援なし
では失業率低下や十分な経済成長見込めないと判断しており、改めて、雇用情勢を重視していることが認識されおり、今晩の米雇用統計の発表がより注目されている。

いずれにしても、市場は本日の米雇用統計を控える中、日米の3連休が加わり、市場のコンセンサスは様子見モードが高まると共に、ここ最近のドルロングを調整したいとの思惑が働く可能性が高く、ある意味では、調整段階のドル売り局面と判断することが無難であろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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