ポジション調整主体の展開!直近のレンジ幅で逆張り待機?
欧州連合(EU)統計局の発表によると、8月の失業率は11.4%と1995年の統計開始以来の最高水準まで達している。その中、ドイツの失業率は5.5%と前月から横ばい、また、フランスも10.6%と前回の数値を維持しているが、財政危機に直面しているスペインでは25.1%に達し、ユーロ圏諸国の中で最悪な数字を記録している。市場関係者からは、早くも中核国であるドイツの雇用情勢悪化の波及が伝えられるなど、欧州経済全般のリセッション(景気後退)が確実視されている。
一方、格付け会社フィッチは、スペインが支援要請をしたとしても、必ずしも格下げはしない旨を言及している。先に格付け会社ムーディーズがジャンク級まで格下げを指摘していたが、週末に予定されていた格下げが行われなかった関係もあり、相対的にユーロの買い戻す動きが優先されているものの、1.29台半ば目前で伸び悩み、上値の重さが再認識されている。
他方、米ISMが発表した9月の製造業景況指数は51.5と、前月の49.6から上昇、同指数で50は製造業活動の拡大と縮小の境目である50を上回ったことを好感し、NYダウは上げ幅を拡大しているが、リスク回避志向は根強く、為替相場は相対的にポジション調整色を強めている。
その他では、バーナンキFRB議長が発言、米経済は失業率が著しく改善するほど十分成長せず、雇用情勢の改善まで証券購入継続できるとし、米経済はリセッション入りを想定せず、引き続き拡大すると予想、そして、リスクオン・リスクオフがドルを動かす最大の要因としているが、FRB政策と強いドル維持の間にいかなる不一致も見られない旨を言及しているが、総じて、不透明感は拭えず、相場への影響は限定的になっている。