リスク回避の円買い小休止!ドル円78円台で上離れの展開?
ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁がユーロ防衛に向けてあらゆる措置を講じることを言及し、また、南欧諸国の債券を無制限に買い取る新たな債券購入プログラムを導入したことがユーロの支援材料となり、ユーロドルは一時1.3000台を回復していたが、先週末、スペインが発表した銀行のストレステスト(健全性審査)の結果が発表され、結果はスペイン銀の資本不足は全体で593億ユーロとなり、事前予想であった600億ユーロ程度を若干下回っている。ただ、スペイン当局者によれば、スペイン銀行向けのEUへの支援要請額は400億ユーロ程度に収まる見通しであるため、当面の財政危機は回避された格好である。しかしながら、米格付け会社ムーディーズはスペインの格付けを9月末までは現在のBBa3の格付けを継続するとしているが、遅かれ早かれ、ジャンク級への格下げの可能性が指摘されているため、市場は週明けのスペイン格下げを配慮した形でユーロ売りが再燃、ジリジリと下値を探る展開を強いられている。
一方、ドル円は円売り介入警戒感が強まると共に、再度78円台へと円売り基調が強まっている。その中、IMF(国際通貨基金)の四半期統計によれば、世界の外貨準備高に占める円の割合が4−6月(第2四半期)に2005年7−9月(第3四半期)以来の高水準に達したことが判明している。裏を返せば、リスク回避による円買いが貢献したと解釈できる。また、ある意味では、超低金利の円ロングが飽和状態に近いとも言わざるを得ず、更に、円を積極的に買う志向も削がれる可能性があるだろう。