ドル円膠着度強めるも77円割れでは円売り介入必至?
IMFが欧州財政危機問題に関して、直ちに包括的な危機対策を取りまとめるべきとの姿勢を示す中、EUおよびIMFはギリシャ支援条件達成期限の延長をめぐり連日のように協議を行っている。ただ、中核国であるバイトマン独連銀総裁は、ギリシャ予算に資金不足が生じても、ECBが穴埋めすることはないとの見解を示している。また、ギリシャ当局側からは、EUがスペインとイタリアの情勢を見守るために更なる時間が要すことを示唆するなど、かなりの難航が予想されている。
その中、ユーロ経済への不透明感が強まると共に、スペイン10年債利回りは6%台に再び上昇しており、リスク選考型のマーケットに傾斜している。また、先にECBによる無制限の国債購入が決まった時点ではユーロは急ピッチに買われた反動も加味しなければならず、市場は再びユーロの戻り売りに焦点が当てられていると判断するのが賢明であろう。
一方、昨日はスペインの新たな緊縮策に抗議するデモに続いて、ギリシャの首都アテネでも、政府の財政緊縮策に抗議するデモが発生するなど、重債務国周辺におけるデモが更に暴徒化する可能性もあるため、市場のコンセンサスもユーロ圏域内での支援対策の動向を見極めたいとの観測などがユーロの重石になっている。
他方、ドル円は政府・日銀の円売り介入への期待が高まっているが、政局が混迷する中、与野党ともに衆議院選挙が視野にあるだけに、円高対策については慎重に取り組姿勢を露わにしており、現時点では、ドル円77円割れの段階では介入必至と判断するのが無難であろう。