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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ユーロドル上値の重さい再認識!戻り売り優先の展開?

NY市場の序盤では、米住宅価格や消費者信頼感指数が市場予想を上回る内容だったことや、フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁が、連邦公開市場委員会(FOMC)の政策措置でも経済成長は押し上げられないと指摘したことに反応し、ドル円並びに、ユーロの買い戻しが一旦優勢になっていたが、ドル円78円台、そして、ユーロドル1.3000台の上値の重さが意識される中、ユーロドルは1.2900前後から.2970前後近辺まで上昇したものの、依然として、リスク回避によるポジション調整の動きは根強く、ユーロや円相場は失速気味に往って来いの展開に陥っている。

一方、ECBの支援体制に関しては、イタリアのモンティ首相がイタリアはECBの国債購入を要請する必要はないだろうと述べているが、依然として、スペインの支援要請が暗礁に乗り上げており、スペインの支援要請の有無によって、ユーロが乱高下する可能性を残している。短期筋としても、1.2850〜1.3000のレンジ幅で注視せざるを得ない環境にあるため、当面、ユーロドルは1.2900前後での攻防が予想される。
他方、日米欧の金融緩和策が相次ぐ中、欧州中央銀行ECBは7月に政策金利を過去最低の0.75%に引き下げたものの、既に、次回または年内の理事会において、再度利下げに踏み切る可能性があるため、ユーロを積極的に買い上がる難しさが指摘されている。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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