材料難否めず調整色強まる!ユーロ戻り売り・ドル円戻り買い優勢?
欧米の経済指標の改善が見られない中、昨日発表された米雇用指標やフィラデルフィア連銀景気指数が強弱まちまちの結果であり、相場への影響は限定的になっている。
市場は相対的にポジション調整主体の展開を強いられており、ユーロドルは1.2900割れを試すこともなく、また、ドル円も同様に、78円割れには至っていない。市場は今後の世界経済の動向を見極めたいとの思惑が先行する中、想定されたレンジ幅で終始推移している。一方、米国側からは連銀総裁の発言が相次いでいるが、フィッシャー・ダラス連銀総裁は経済に一段の流動性は必要なく、債券購入が民間の借り入れを誘発する可能性低いと前回のFOMCの追加緩和に反対姿勢を強調している。反面、ローゼングレン・ボストン連銀総裁は追加緩和のリスクは経済停滞のリスクより小さく管理しやすく、FRBの新たな資産買い入れ計画を強く支持している。また、コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁はインフレ見通しが2.25%を上回らないうちは、失業率が5.5%を下回るまで超低金利を継続すべきとし、少なくとも今後4年間は低金利を維持する必要性を述べている。そして、ロックハート・アトランタ連銀総裁も先のQE3決定を支持するなど、総じて、QE3への期待感が先行している。ただ、ユーロ経済のリセッション入り、そして、世界経済をリードしている中国経済の鈍化が現実味を帯びているだけに、残された金融政策の限界も生じていることも疑いの余地はなく、為替相場の乱高下は今後も避けられない情勢にあり、現時点では直近のレンジ幅で売買を模索するしかないだろう。ただ、ユーロの急ピッチの上昇や円売り介入などを踏まえると、ユーロの戻り売り及びドル円の買い戻しに基点を置いた手法が一考であろう。