ユーロショート解消一巡、伸び悩む展開!ドル円78円台の足固め?
スペインの財政問題が深刻化する中、欧州中央銀行(ECB)の国債買い入れの必要性が高まっているが、スペイン当局が条件付きの支援要請を固辞している関係上、スペイン財政難の進捗状況が掴み切れない状態が続いている。
一方、ユーロドルは7月末以降にECBの追加金融緩和策が高まる中、1.21割れ段階から1.31台まで1,000bpts程、一本調子に上昇している。その背景にはECBによる国債買い入れ導入や追加金融政策、そして、投機筋のユーロショート解消によるところが大きいと思われるが、昨日スペインが実施した12カ月物と18カ月物の短期証券入札においては、平均落札利回りは共に低下したものの、10年債利回りは再び危機的レベル6%台まで上昇しており、緊張感を募らせている。その中、スペインが国際支援を受けずに適切なコストで資金を調達することができるのか懐疑的な見方が広まっており、今後もギリシャと同様にユーロの重石になる可能性が十分にあると言わざるを得ない。
他方、理事会メンバーのベルギー中銀総裁はスペインのラホイ首相が支援要請を遅らせれば、スペイン国債利回りは直ちに再び上昇し始めると警告しているように、遅かれ早かれ、スペインは支援要請を受け入れざるを得ないだろうが、スペインは、欧州連合(EU)から受ける可能性のある支援の条件を引き続き検討していると述べており、ギリシャと同様にユーロ離脱に追い込まれる可能性も浮上している。
その中、本日は米欧の金融緩和策に次いで、日銀の金融緩和への期待は高まっているが、既に、ゼロ金利政策を背景にして、打つ手は限られているのが現状である。金利据え置きも含めて、追加刺激策の案として、長期国債買い入れの設定金利である0.1%の下限金利撤廃が指摘されているが、現状維持でお茶を濁すことになるだろう。ただ、景気対策の一環として、円高対策に触れる可能性もあり、ドル円ショートは自重局面にある。