FOMC終えて、ポジション調整主体の展開!QE3効果の持続性が疑問視?
FOMCは景気刺激策として、量的追加緩和(QE3)を事前予想通りに実施、超低金利政策を2014年末から2015年末まで延長する旨を発表する中、FRBは労働市場の見通しが大幅に改善するまで資産買い入れを継続する方針を打ち出している。今回は、住宅ローン担保証券(MBS)を月額400億ドル購入、労働市場が改善するまではMBS購入を無制限に継続する異例の措置を発表している。FRBは過去にも2度程継続的なMBS購入実施した経緯があるが、景気への効果は限定的であったことが懸念されている。ただ、NYダウ平均は前日比206.51ドル高の13539.86ドルと、連日、5年ぶりの高値を更新して引けており、市場関係者は積極的な追加緩和政策を好感している。
QE3の内訳はMBS400億ドルを毎月購入(オープン・エンド型)、MBS購入はあす開始、9月中にMBSを約230億ドル購入」「現在のMBS担保証券は元本の支払いを再投資、既存のものと合算すると購入規模は毎月850億ドルとなるため、それなりの効果は得られるとの見方が優勢である。しかしながら、だぶついた流動性資金の矛先が米労働市場に還流されるかは不透明であり、また、ドル売りが進行している相場環境なだけに、ポジション調整によるドル買い戻しにも警戒が必要であろう。
いずれにしても、悪化している米雇用情勢に即効薬はないが、今回のQE3導入により、FRBの持続的な金融緩和策にも限界が生じていることも明らかであり、市場は材料出尽くし感から、更にドル売りが進行した場合には、ユーロ$1.3000台、そして、ドル円77円台前半の達成感と共に、優先席にドルが買い戻されるシナリオも考慮すべきであろう。