動意づいてからの始動賢明!ユーロドル1.2800〜1.3000で待機?
ドイツ憲法裁判所が、条件付きながらも、事前予想通りにESMを批准したことにより、ユーロ買いが優勢を極めている。この結果を受けて、ECBによる国債購入への道筋が明らかになったとの認識がユーロの追い風になっている。
一方、市場参加者の間でも、早くも、ユーロドルは心理的な節目である1.3000台が時間の問題との声も少なくない。ただ、相対的に、材料出尽くし感もあるため、1.29台では利益確定売りが随所に優先されており、一気に1.3000台へ駆け上がるには時期尚早との見解が多々ある。また、一部報道によれば、ユーロ圏域内のトロイカの調査が予定より遅れていることが理由に、10月に予定されていた310億ユーロのギリシャ支援の決定は、11月にずれ込む公算が高いと報じられているが、スペインの救済支援問題も含めて、ユーロの悪材料が常に意識されているため、依然として、ユーロはどちらにも振れやすい展開と判断し、当面、1.2800〜1.2300のレンジ幅を注視して、売買を模索することが一考であろう。
他方、市場は本日のFOMCを控える中、弱い米雇用統計の結果を背景に、量的緩和策第3弾(QE3)への期待と共に、米ドルは円並びに主要通貨に対して下げ足を速めているが、FRBは、既に2014年後半まで超低金利政策の持続性を重視している以上、QE3が実施されたとしても、2015年への時間軸延長になる可能性が有力視されており、実質的な効果が得られるかどうかは懐疑的であり、ドルの買い戻しにも注意を要するだろう。
いずれにしても、この数日間の急ピッチの円・ユーロ、そして、豪ドルの急ピッチの買い戻しに、市場は困惑気味であることは否めないが、本日のFOMCの結果如何によらず、ポジション調整が一巡すると共に、過度な円高・ユーロ高が是正される可能性が高く、戻り売買に徹することが賢明であろう。