ポジション調整主体の展開!直近のレンジ幅で対応可?
昨日は主要な米経済指標の発表も無く、FOMCの追加金融緩和策(QE3)やドイツ憲法裁判所の判断待ちの雰囲気がある中、為替市場は相対的にポジション調整色を強めている。ユーロドルは1.28台の上値の重さが意識される中、1.27台半ば前後まで反落しているが、上記のビックイベントを控えて、短期筋及び投機筋も積極的に動きづらい側面がある。
一方、ドイツ憲法裁判所では一応合意される見通しであるが、あくまでも条件付きの合意との見方が先行しており、先にEBCが発表した債券購入プログラムに何らかの影響を及ぼす可能性があるため、積極的にユーロを買い上げる相場環境には至っていない。また、ギリシャのストゥルナラス財務相は、同国と欧州連合(EU)などトロイカ調査団の交渉が「難しい」と述べたほか、今後2年間で約120億ユーロを削減する案の受け入れを説得することに困難に直面していることを明らかにしていることもユーロの上値の重さに繋がっている。
他方、先の弱い米雇用統計により、FOMCでの追加緩和期待が高まっているが、FOMCは2014年終盤までの低金利が適切との判断を下しており、今後も超低金利政策を推進する中、QE3に対する期待感も徐々に削がれつつある。たとえ、QE3を実施したとしても、一時的な延命策との見方が優勢であり、QE3が米景気浮揚策に当たるかどうかは疑問視されている。