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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ユーロドル1.26前後で正念場!ドル円78円トライも下値限定的?

注目されたバーナンキFRB議長の講演では、景気回復強化と労働市場改善促すため、必要ならば追加緩和を指摘。雇用市場の停滞は特に深刻な懸念事項だとし、高止まりしている失業率によって経済が何年にもわたって構造的な打撃を受ける可能性があるとしている。ただ、非伝統的な金融政策はコストと利益不明確、依然として、ハードル高いが、QEは充分長期金利を引き下げている旨を強調している。相対的には、バーナンキ議長は「物価を安定させつつ、力強い景気回復および労働市場の持続的な改善を後押しするため、必要に応じて追加緩和策を講じる」との前回FOMC声明を踏襲した格好で講演を終えている。
一方、ユーロドルは一時1.26台のストップロスを巻き込み上昇基調を強めていたが、同レベルでは利益確定売りが随所に散見される中、格付け会社S&Pが中央政府に支援を要請したスペインのカタルーニャ州をジャンク級に格下げしたことから、1.25台後半で伸び悩んで引けている。
他方、IMM通貨先物市場では、ユーロショートの改善が進行中であるが、先にユーロ財政危機問題が深刻化した際には、ユーロショートの数値は、統計開始以来の危機的水準である20万台枚まで達し、ユーロ存続が問われる中、ユーロドルは一時1.22割れの段階まで下落していたが、その後、投機筋のユーロショートは段階的に10万枚台前半まで半減している。また、ユーロドルはチャート上においても、急落前の水準である1.26台まで回復しており、やや安堵感が市場には広がっているが、とは言え、ユーロ域内の危機的財政難に払しょくされたわけはなく、ユーロは正念場を迎えている。現時点ではユーロの戻り売りを優先する方がリスクは軽減されるだろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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