膠着度強まる!自然体(逆張り)で待機?
為替市場は、総じて、手掛かり難の中、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が、週末のジャクソンホール会合に出席しないことが明らかになっている。未だに出席しない理由は公表されていないが、同会合には、バイトマン独連銀総裁が出席するものの、ECB専務理事などの関係者はいずれも出席しない予定である。それ故に、ドラギ総裁が、ユーロ圏内で財政問題を抱える国の国債購入再開に向けて、積極的に対応しているとの見方がやや後退しており、ユーロは上値の重い展開を強いられている。また、注目されたバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の講演に関しても市場の期待感は腰折れ気味であり、ドル円は78円台後半、そして、ユーロドルも1.25台前半で小幅な攻防と化しており、相場自体が更に膠着度を強めている。
一方、ユーロ圏の恒久的救済基金である欧州安定化メカニズム(ESM)に対する銀行免許の付与をめぐっては、域内首脳の間で意見が分かれているが、ドイツのメルケル首相とイタリアのモンティ首相が会談し、メルケル首相はESMに関する限り、銀行免許の付与は条約と相いれないというのが私の信念だ」と強調しており、域内の債務問題をめぐる先行きの不透明感が根強いこともあり、ユーロを買い戻す動きも後退している。再度、ユーロドル1.25割れを試す展開を考慮する必要があるだろう。
他方、9月のFOMC(連邦公開市場委員会)で量的緩和第3弾(QE3)が導入される可能性が大きいとの見方が有力視されているが、先のFOMC議から判断しても、今後発表される米8月雇用統計の動向を見極めるまでは、QE3は玉虫色の状態にあり、相場を動意づけるには至らないとの見方が優勢になっている。