材料難否めず、動意薄の展開?
市場は全般的に夏枯れ相場に突入しているが、昨日も特筆すべき材料もなく、調整主体の展開を強いられる中、ドル円は78円台後半、そして、ユーロドルも1.25前後を挟み小幅なレンジ相場と化している。その中、先のFOMC議事録によれば、多くのメンバーは、景気が「十分かつ持続的な回復」のが高いと判断しているが、米シカゴ連銀のエバンス総裁は、米連邦準備制度理事会(FRB)による量的緩和第3弾(QE3)の実施を呼び掛け、失業の減少が少なくとも6カ月間続くまで市場からの資産買い入れを継続するよう求めている一方、米ダラス連銀のフィッシャー総裁は、「超緩和的な」金融政策は逆効果となり景気拡大や財政安定を損いかねないと指摘するなど見解が分かれており、市場は週末のバーナンキFRB議長の講演を見極めようとの思惑が働いている。
一方、財政難にあるスペインは付加価値税を9月1日にも引き上げられる予定であるが、スペインのラホイ首相は財政緊縮策の強化で実施する付加価値税引き上げは、すでに支出抑制を余儀なくされている消費者にさらに追い打ちをかけることを指摘しており、今後もGDPの急激な落ち込みに繋がる可能性があるため、ユーロの上昇も限定的と言わざるを得ない。