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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

日替わりメニュー!今週は米ドル高へ?桜吹雪が舞う頃にはオセアニア通貨?

▲先週は量的緩和解除の流れもあったが、ゼロ金利政策続行が再び120円の円安を窺うコメントも多く見られたが、終ってみれば、米経済指標に一抹の不安が生じており、更に、米利上げ観測後退まで拡がり、相変わらず各国の金利動向が主役の座であることは間違いない。
今週はドル円115円台からの出発となると、俄かに円高ムードではあるが、ここ数週間のドル円の動きを見る限りは方向感が一定しているわけでもなく、安易な円高局面と捉えるべきではない。自然体に戻れば、高金利通貨の仲間入りを果たした米ドルの底堅さも考慮しなければならないレベルでもあり、115円台への定着には115円割れが必要なだけに、まだ、時期尚早の円高局面として捉えるべきであろう。
いずれにしても、3月の利上げが市場では織り込み済みであるのは理解できるが、5月に向けての利上げに関しては、相場感からとしては白紙に戻した展開を見込むべきであり、過度な利上げ期待からの米ドル買いには慎重にならざるを得ないのが市場心理であるため、難易度は更に増しており、基本はワイドレンジの115~118.50までの相場と判断したい。
▲ユーロドルも 追い風に乗ったような感はあるが、ユーロ圏内で景況感の強まりもあり、ECB利上げも噂されるが、次会以降の利上げに関しては賛否両論がある状態でもあり、統一見解は未だに見えず、時期尚早と見なしたほうが賢明であろう。米経済指標、そして米金利動向次第ではあるが、1.22台に向けては利益確定水準でもあり、むしろ調整色の強い売りもあると見るほうが無難であるため、ユーロドルの上昇には疑念が生じやすいレベルとも言える。しかしながら、米経済の不透明さと共に、避難通貨的な役割りを考慮するならば、ユーロドルの1.2000前後の底堅さもあり、再度レンジ相場の様相と見るべきであろう。
▲今週はバーナンキFRB議長とトリシェECB総裁の講演もあり、要人発言に耳を傾けながらの展開であるが、ある程度想定範囲のトリシェECB総裁の発言はさておき、3月28日のFOMCのみではなく、5月の利上げにも向けて、バーナンキFRB議長の発言に注目せざるを得ない。一般的には3月の利上げ前の発言では、米財政難も考慮し、比較的楽観的な見解になうと思われるが、一つ間違えれば5月の利上げにも影響を及ぼすぐらいの配慮は必要であるが、ある意味では経済指標よりもインパクトがあるかもしれない。いずれにしても、乱高下が続いている相場だけに、ポジションの縮小に心がけ、同時に、適宜なストップロスの対応が迫られる相場である。

*******今週のペットでも判る簡単チャートSummary********
作成年月日 2006年3月18日(土)
週ごとに米ドルの基盤にゆがみが生じており、先々週の米ドル買いから一変して、先週は米ドル売りシグナルが点灯していたが、相対的に売られすぎの傾向が強く、一部通貨を除き、米ドルの買い戻しが期待できる週である。歪みとしてはオセアニア通貨を除けば、見直し時期に来ており、様子見状態も増えており、少な目の始動を心がけること大切である。
ドル円 【ユーロドル⇔ユーロ円】
先週119円台の売りを推奨したが、今週は115円台後半からのスタートと、チャート上では利益確定の時期でもあるが、未だに弱い売りシグナルがある。116円前後の売りを強行したとしても115円での利益確定を想定しなければならず、一度はポジションを解消し、次の大きな歪みが生じるまでは小休止も必要である。
ユーロドル(ドル円−ユーロ円)平均乖離幅25円 現状乖離幅22.75→25.35円)
先週はポジション調整段階でもあり、ユーロドル1.1911の買いでポジション解消を勧めたが、今週は1.21台を越えてからはユーロドルの買われすぎに突入している。この1ヶ月間の流れを復習すると、1.1940の売り→1.1878で買い→1.2045で売り、そして先週1.1911の買いと、目まぐるしい展開であるが、今週は1.2190の売りシグナルが点灯中。
豪ドル(ドル円−豪ドル円 平均乖離幅28円 現状乖離幅31.90→31.65円)
先週からの買いシグナルが点灯しており、先週に引き続き0.7270の買いシグナル点灯中。
★NZドル(ドル円−NZ円 平均乖離幅33円 現状乖離幅42.70→42.40円)
損切り状況からの見直し。再度NZドルの買いシグナル点灯中→0.6343 
カナダドル(ドル円−カナダ円 平均乖離幅18円 現状乖離幅16.40→5.90円)
先々週の買いシグナル1.1345から、先週は様子見レベルの1.1598の売りで様子見。引き続き今週も乖離幅の変更も少なく、1.1589では様子見。次の展開を待ちたい。
ポンド(ドル円x2−£円平均乖基準離幅25円 現状乖離幅32.45→28.35円)
先週の買い1.7273から今週はポジション解消の売り1.7555に達しており、現状では様子見へ。 
スイスフラン(ドル円−スイス円 平均乖離幅23円 現状乖離幅29.00→26.10円) 
動きが速く、一週間ごとに売り買いがひっくり返っていたが、今週は様子見へ。先週売りシグナル1.3171から今週は1.2905の買いでポジション解消。様子見へ。
豪ドル円/NZドル円裁定取引(平均基準乖離幅6.50円→7.00に変更)
現状乖離幅9.30→10.80→10.75円)
先週は乖離幅が一時11円台までも見られ、過去数年間の乖離幅12円に迫る勢いであるが、最終局面と損切り確定場面でもあり、資金的な余裕あれば、再度豪ドル円売り・NZ円買いも一考。 
過去の経緯(1週間ごと)
4.25円→5.75円→6.45円→7.20→6.40→7.90→8.05→7.30→7.00→8.35→9.00円
単純加算方式 ユーロ円+ドル円(255円以下は円高&260円以上は円安の目安) 
直近の経過255.25円→259.10→261.90→258.15→258.95→255.65→256.70
先週は119.00+141.75=260.75と円安圏内に、今週は115.90+141.30=257.20
欧州通貨ペア(過去の経緯1週間毎)
ユーロポンド
0.6853売り→0.6804買い→0.6862売り→0.6898売り→0.6941売り継続
ユーロスイス
1.5638売り→1.5639売り→1.5621様子見→1.5689売り→1.5717売り継続
ポンドスイス2.2817様子見→2.2986売り→2.2763買い様子見→2.2750様子見→2.2641買い
新外為の森 参照(product)
★本ペットチャートでは3段階分散投資をお勧めしています、常に少なめからの
始動をお願いいたします。最終的な投資・運用の判断はご自身の責任で行って下さい。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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