ユーロショートカバ−一服!反動売りに注意?
仏や独の8月PMI製造業・速報値がいずれも事前予想を上回った事をきっかけに、ユーロドルは底堅い展開になっているが、買い一巡後はスペイン10年債利回りの上昇もあり、伸び悩んでいる。
一方、スペインが国債利回りを低下させるための支援条件をめぐりユーロ圏当局者と交渉しているとの報道があるが、支援協議ではスペイン国債を欧州金融安定ファシリティー(EFSF)が発行市場で購入し、欧州中央銀行(ECB)が流通市場で買い入れることが有力視されているものの、具体的な支援規模は検討されてはいない。また、スペインは支援要請について最終決定はまだ下していない旨を伝えており、依然として、ユーロ圏内では玉虫色の交渉が繰り返されている。
他方、8月のユーロ圏総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は46.6と前月の46.5から、わずかに上昇したものの、7カ月連続で景況の改善・悪化の節目となる50を下回っている。また、ドイツのPMIも3年ぶりの低水準に落ち込むなど、ユーロ圏の中核国であるドイツにまで景気低迷の波が押し寄せており、ユーロ圏が再度リセッション(景気後退)入りする公算が大きくなっている。それ故に、これまでのユーロの上昇度にも陰りが生じ始めており、先のFOMC議事録を背景とした、量的追加緩和策(QE3)に対するドル売りの賞味期限切れを踏まえれば、当面、ドルの反動買いに注視することが賢明であろう。