FOMC議事録に過剰反応!ドルショート自重局面?
FOMC議事録では、「多くのメンバーは、持続的成長なければ早期の追加緩和が正当化される公算が高いとが十分かつ持続的な景気回復ペースの加速を示さない限り、早い時期に追加緩和が正当化される公算が大きいと判断した」と記されたことを受けて、ドル売りが加速、ドル円は一気に78円台前半まで急落、そして、ユーロドルも節目と見られていた1.25台を難なくクリアーするなどストップロスを大量に巻き込んでいる。FOMC議事録では多数がQEは景気回復を拡大させるとしたことから、市場は9月FOMCでの量的追加緩和(QE3)への期待感を高めているが、ただ、超低金利政策の最中、米雇用統計、小売売上高、株価などが順調に推移している関係上、即座にQE3を実施する環境ではないとの見解も少なくなく、当面は欧州財政危機問題や不安定な株価状況を睨みながら慎重姿勢で臨むことが好ましいとの意見もあり、今回の議事録内容によって、ドル売りに反応するには時期尚早との見方もある。
一方、ユーロ圏ではギリシャのユーロ離脱問題をめぐって、様々な情報が飛び交っているが、ユンケル・ユーログループ議長はギリシャ向け次回融資実施の条件は、財政赤字削減の信頼ある戦略策定、そして、期限延長に関してはトロイカの調査次第とし、現段階では、第3次支援に関しては検討していない旨を述べている。その中、サマラス・ギリシャ首相は次回の支援が10月以降に遅れても、つなぐことは可能としているが、全く支援が無くなればギリシャは崩壊するとも述べており、日増しに緊迫感が漂っており、ユーロの過剰反応にも違和感が生じている。
他方、ドル円は、日米金利差縮小や欧州財政危機によるリスク回避の円買い圧力に圧されて、1円程度急落しているが、ドル円78円前後では利食いと実需買いが散見されているため、下値は限定的になっており、現状レベルからのドル円ショートは自重することが賢明であろう。