ユーロドル1.25台目前で紆余曲折!ECBへの過剰期待?
ECBの国債介入に対する期待感が高まっている関係上、相対的にユーロのショートカバーが優勢となり、ユーロはドルと円に対して7月初旬以来、約7週間ぶりの高値圏で推移している。ドイツがギリシャへの財政支援をめぐって、柔軟性な姿勢を見せているほか、懸念されていたスペインの入札が順調だったことを背景にして、欧州財政危機問題がやや後退したことを受けて、ユーロは対ドルでドルストップロスを巻き込みながら、一時1.25台を窺う展開になっている。また、ユーロは対円でも99円台へと様変わりの様相を呈している。
一応、現時点ではギリシャの財政再建での目標達成期限の延長など、ギリシャが求めている緩和案をドイツが了承するのではとの期待感も高まっているが、同時に、独シュピーゲル誌が、ECBが債務危機に陥ったユーロ圏諸国の国債買い入れについて、独連邦債に対するプレミアムが一定水準を越えた場合に買い入れを実施する方針だと報じていることも、ユーロ買いの追い風になっている。ただ、ECBの報道官は同誌の報道について、未決定の計画やまだ理事会で協議されていない事項であり、特定の見解について報道することは、誤解を招く恐れがあると指摘している以上、ユーロの波乱含みの展開は避けられない情勢にある。また、ギリシャ首相がユーロ各国首脳に対して奔走しており、何らかの支援措置が講じられるとの思惑が先行しているため、ユーロの底堅さに繋がっているが、ユーロドル1.25台を目前に神経質な展開が余儀なくされている。
他方、ドル円は79円台半ば以上では、利益確定売りや実需売りに阻まれ、一服感が生じているが、ECBの動向に左右される展開が続いており、79〜80円のレンジ相場の域を脱する難しさに直面している。