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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ECBへの期待感・失望感が交錯!ユーロ戻り売り優先?

市場では先のドラギECB総裁の国債買い入れに関する発言に注目が集まる中、ドイツ連銀はECBの国債購入に対して反対姿勢を再度強調していたにもかかわらず、メルケル独首相がECBの国債購入を支持するといった発言していたことが伝わっている。
一方、ECBが国債購入の条件として明示していた該当国による支援要請についても、スペイン政府が態度を軟化させるのではとの憶測が高まる中、スペイン債やイタリア債利回りが低下傾向を示していることが好感され、市場のリスク回避志向がやや後退、ユーロドルは一時1.24台半ば近辺を窺う展開になっている。ただ、同レベルでは利益確定や新規売りが散見されるなどユーロは伸び悩んでおり、一方的な上昇には繋がっていない。
また、スペイン2年債利回りは一時7%を突破し、ユーロ導入以来の高水準を記録していたが、現時点では3.4台まで低下、その中、ドイツ連邦債利回りに対しても重債務国債との利回り格差が縮小傾向にあることがユーロの追い風になっている。そして、投機筋のユーロショートのポジション巻き戻しが加わるなど、ユーロは相対的に底堅さを取り戻しつつあるが、市場のセンチメントはECBへの期待感と失望感が相交じり、積極的なポジショニングに違和感が生じており、市場のコンセンサスとしては、直近のレンジ幅で逆張り待機の傾向を強めている。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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