ECB理事会控えて、ユーロ期待買い<失望売り優先の展開!
昨日の米連邦公開市場委員会(FOMC)は、政策金利を予想通り、現行の0.00〜0.25%に据え置くことを決定、声明文では、国内経済の回復が失速したとの認識を示す中、当面、追加緩和策は見送られた恰好となり、ドルを買い戻す動きに繋がっている。
FRBは経済回復について、8.2%の失業率を低下させるには遅いペースとの認識を確認し、景気回復を支援するため国債の追加買い入れを行う可能性があることを示唆しているが、現時点では、ユーロ財政危機の進捗状況を見ながら慎重姿勢を維持している。市場のコンセンサスはQE3(量的緩和第3弾)が打ち出されなかったことを背景に、ドルを買い戻す動きに繋がっている。
一方、本日はECB理事会において、スペインやイタリア国債購入が再開されるかが焦点となるが、既に、ドイツ連銀の反対姿勢を示しているため、先にドラギECB総裁が発言した内容が疑問視されつつある。同総裁はユーロ圏の維持に向け必要な措置はすべて講じると表明しているが、どのような対応策が講じられるかは微妙な段階にあり、短期筋としても、とりあえずは、失望売りに備えて、ユーロロングの解消(利益確定売り)を余儀なくされている。ただ、1.22割れを試す展開ではなく、相場自体は依然として、1.2200〜1.2350のレンジ相場で売買を模索せざるを得ない相場環境になっている。
他方、世界的な金融緩和策が続く中、日米が事実上のゼロ金政策を実施している関係上、ECBの現行政策金利0.75%と比しても利下げ余地があるため、ユーロを積極的に買い戻す動きは後退している。また、市場は、蔓延化したユーロの悪材料よりも支援材料には敏感に反応する傾向があるが、潜在的なリスク回避の動きは根強く、上昇局面ではポジション解消売りが優先される傾向が強っており、相対的に、ユーロの戻り売りを軸とした戦略性が重んじられている。