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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

FOMC/ECB/米雇用統計、材料多し!読み切れない波乱相場?

市場は全般的に様子見気分が先行している中、独財務省が「欧州安定メカニズム(ESM)への銀行免許付与は必要ない」との見解を示したことで、ユーロドルは1.23台の上値の重さが意識されているが、月末と言うこともあり、相対的にポジション調整主体の展開となっており、いずれの通貨も小動きで終始している。また、市場は本日のFOMC政策金利の発表や明日のECB理事会を見極めたいとの思惑もあるが、週末には米雇用統計を控えている関係上、短期筋としても、積極的に仕掛けづらい側面がある。
一方、FOMCに関しては、一連の経済指標が底堅さから、追加金融緩和策(QE3)にまでは言及しないとの観測が強いが、先の声明で2014年末までは超低金利が適当との見解を背景として、QE3は次回以降のFOMCに委ねられる可能性が高く、市場への影響は限定的との見方が大勢を占めている。ただ、欧州財政問題が改めて認識されているだけに、今後の動向次第では、次回9月にもQE3が前倒しで実施されるとの観測が台頭している。
他方、明日のECB理事会においては、ドラギECB総裁の発言により、市場はECBの国債購入再開や利下げ期待が高まっているが、依然として、ドイツ連銀は、金融政策は物価安定の責務を焦点にする手段であり、財政危機に直面している加盟国に関しては、あくまでも財政問題であり、財政的手法で解決されるべきと述べている。現段階では、ドイツ側が歩み寄りを見せない限り、ユーロの反発は限定的と言わざるを得ない。その中、ドラギECB総裁の発言が問題先送りとの見方があり、ユーロ相場は直近のレンジ幅で一進一退の展開と想定することが無難であろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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