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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

豪ドルに過熱感!ユーロ$1.22前後で利食い買い優先?

全般的に方向感に乏しい中、市場は本日からの米連邦公開市場委員会(FOMC)や、2日のECB理事会を控えて調整主体の展開を強いられている。先のドラギ総裁の発言以来、スペイン及びイタリアの国債利回りが低下しており、ECBの国債購入に対する期待度は高まっているが、依然として、ドイツのメルケル首相の連立相手は、ECBによる債券購入計画に疑問を投げ掛けており、債券購入によるユーロ支援は「長期的な解決策」にはなり得ないと指摘している。それ故に、ECB理事会に向けては様々な見解が錯綜しているが、市場参加者もFOMCとECBの動向を見極めたいとの思惑が働いており、積極的なポジショニングは手控えられている。
一方、ガイトナー米財務長官はユーロ圏各国の取り組みに自信を表明。米独はさらなる安定化に向けて、各国と緊密に協力するだろうと述べる中、米独財務相声明では、持続可能な財政に向けた国際協調の継続を求め、ユーロ圏各国の改革や統合強化の動きを楽観視するなど、ユーロ財政危機を鎮静化させるために躍起になっているが、現時点では、あくまでも希望的観測に過ぎず、ユーロの戻りは限定的になっている。
他方、日米欧の金融緩和期待が高まる中、豪ドルが対米ドルで一時1.050台へと、3月末以来の高値水準まで上昇するなど、金利差狙いのキャリートレードが優先されている。ただ、既に、各国の金利先安観測が或る程度織り込み始めており、市場に、やや過熱感が生じている。また、中国経済の減速懸念と共に、豪州中央銀行が利下げに踏み切るとの観測があるだけに、現状レベルからのロングは自重局面にあると言わざるを得ない。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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