ユーロ買い戻しに脆弱性!ドル円78円台半ばで身動きできず?
ドラギ総裁がECBは政府の借り入れコストが不当に上昇していることへの懸念を含め、ユーロ圏を崩壊から守るためにできることを、責務の範囲内で何でもする用意があるとの発言を機にユーロドルは一時1.23台後半まで買い戻されていたが、一応、スペインやポルトガルなどの重債務国の国債利回り上昇には歯止めがかかってはいるものの、依然として、安全資産とされる日米独の国債市場に投資マネーが流入しやすい状況が続いている。また、欧州の金融・政府首脳からもユーロ防衛に向けての積極発言が相次いではいるが、世界景気の先行き懸念を背景に、欧州中央銀行(ECB)の対応だけでは抜本的な解決策にはならないとの見方が少なくない。
それ故に、8月2日における欧州理事会での政策期待への関心が高まってはいるが、ギリシャのユーロ離脱問題や資金調達コストが悪化しているスペインの支援問題など難題が山積しているだけに、ECBの苦渋の選択が迫られていることには変わりがない。
一方、ドラギECB総裁がバイトマン独連銀総裁と新しいECB措置を協議しており、国債購入と利下げ、新長期流動性供給オペ(LTRO)を提案したとの報道が伝えられているが、この報道に関し、ECBは「ドラギ総裁は常にメンバー中銀と協議している」とコメントし、それ以上の言及は避け、否定も肯定もしていないが、現時点では期待先行によるユーロ買い戻しに脆弱性が見られており、ユーロの戻り売りが優先されがちである。
他方、米国では、明日から米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれるが、既に、バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長が追加緩和の可能性に含みを残す発言を繰り返してはいるが、欧州財政危機を見極めながら対応策が見込まれるため、相場自体を動意づける程の材料にはならないだろう。
●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2012年7月29日
▼ドル円⇔ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)
平均乖離幅 0.2020 現状乖離幅0.2253→0.2227(A)100÷96.60=1.0348−(B)1÷1.2314=0.8121⇒0.2227。先週の弱めの買いシグナル78.50から変化はなく、今週も引き続き弱めの買いシグナル78.45が点灯している。中期チャートにおいては、逆に弱めの売りシグナルが点灯しており、77〜80円のレンジ相場を形成している。
★売りターゲット(79.00)
▼ユーロドル(ユーロ円−ドル円)
平均乖離幅 21.00円 現状乖離幅 16.95→18.15円
先週の買いシグナル1.2159から上昇を速めており、今週は弱めの買いシグナル1.2314が点灯している。中期チャートにおいても、強めから弱めの買いシグナルに移行しており、1.2150〜1.2450のレンジ相場を形成している。
★売りターゲット(1.2350〜1.2400)
▼豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅 0.00円 現状乖離幅 2.95→3.60円
先週の強めの売りシグナル1.0369から上昇に転じており、今週は強い売りシグナル1.0484が点灯している。中期チャートにおいては、通常の売りシグナルが点灯しており、1.0500台からのナンピン売りに妙味生じている。
★買いターゲット(1.0000〜1.0100)
▼NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅 17.00円 現状乖離幅 15.75→14.95円
先週の売りシグナル0.7994から上昇に転じており、今週は強め売りシグナル0.8094が点灯している。中期チャートにおいては様子見から売りシグナルに移行しており、0.8100台以上からのナンピン売りに妙味が生じている。
★買いターゲット(0.7850〜0.7950)
▼カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅 1.00円 現状乖離幅 0.95→0.25円
先週の弱い買いシグナル1.0123から下落しており、今週は通常の買いシグナル1.0032が点灯している。中期チャートにおいても、弱い買いシグナルが点灯しており、0.9950〜1.0250のレンジ相場を形成している。
★売りターゲット(1.0100〜1.0150)
▼ポンドドル(ポンド円−ドル円)
平均乖離幅 45.00円 現状乖離幅 44.15→45.00円
先週の弱い売りシグナル1.5624から上昇に転じており、今週は売りシグナル1.5736が点灯している。中期チャートにおいて売りシグナルが点灯しており、1.58前後からのナンピン売りに妙味が生じている。
★買いターゲット(1.5550〜1.5600)
▼ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅 −5.00円 現状乖離幅 −1.00→−1.95円
先週の売りシグナル0.9874から下落しており、今週は弱めの売りシグナル0.9757が点灯している。中期チャートにおいても、弱めの売りシグナルが点灯しており、0.9500〜0.9900のレンジ相場を形成している。
★買いターゲット(0.9700)
▼オセアニア通貨裁定取引
平均乖離幅 17.00円 現状乖離幅 18.70→18.75円
乖離幅には変化はなく、今週も短期チャート・中期チャート共に、豪ドル円売り・NZドル円買いが点灯している。過去の週間ごとの乖離幅経緯は以下の通り。15.75→17.60→17.75→18.75→19.05→18.75→18.75→17.75→19.10→18.75→18.65→18.30→18.70→18.45→18.50→18.65→18.95→19.00→20.00→19.45→19.50→18.90→17.95→17.25→18.00→17.75→17.50→18.00→17.75→17.60→17.60→17.35→17.35→17.85→17.80→18.00→18.70→18.75円
★ターゲット(17.50〜18.00円)
▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円
2007年度平均279円、2008度平均255円。2009年度平均224円、2010年度平均222.70円、2011年度上半期平均は196.75円、2011年下半期は185円。2012年度1月平均175.95円、2月平均182.95円、3月平均191.30円、4月平均189.40円、5月平均181.70円、6月平均179.35円。7月第1週180.90円、7月第2週177.55円、7月第3週176.20円、7月第4週は173.95円、そして、今週はユーロ円96.60+78.45=175.05円へと円高圏に突入している。(目安*180円以下は円売り局面⇔190円以上は円買い局面)
●欧州3大通貨比較
▼ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離 24.00円 現状乖離幅 27.20→26.85円
先週の強めの買いシグナル0.7782から若干上昇しており、今週は通常の買いシグナル0.7825が点灯している。中期チャートにおいても、買いシグナルが点灯しており、0.78割れからの押し目買いに妙味が生じている。
★売りターゲット(0.8000〜0.8100)
▼ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離 16.00円 現状乖離幅 15.95→16.20円
先週の様子見1.2006に続き、今週も様子見1.2015が点灯している。中期チャートにおいても様子見が点灯しており、1.1900〜1.2100のレンジ相場を形成している。
★様子見
▼ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離 40.00円 現状乖離幅 43.15→43.05円
先週の強めの売りシグナル1.5624から下げ足を速めているが、今週も引き続き売りシグナル1.5354が点灯している。中期チャートおいても、強めの売りシグナルが点灯しており、現状レベルからのナンピン売りに妙味が生じている。
★買いターゲット(1.4900〜1.5000)
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本ペットチャートは3〜5段階の少な目からの分散投資をお勧めします。尚、最終
的な投資判断は投資家ご自身の責任で行なうようお願いします。
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