主要3大通貨修正局面=円安の限界とユーロ1.5300までの急落?
先週は米大金融機関の決算発表が相次いだが、大方は事前予想よりは改善されており、ドルの反発傾向が見られたが、ドルの底堅さは原油価格の続落に起因していることが察せられる。原油価格が125ドル割れまで急落した経緯を見る限りは、市場の潮目が変わりつつあるのは間違いないであろうが、世界経済は着実にインフレ不況の波が押し寄せており、投機筋のドル安ヘッジとしての原油買いに変調の兆しがみられる。一部ヘッジファンドや投機筋の矛先がポジション解消に向かっていることは否めないだろうが、実態が掴めていないのが相場の現状であり、当面は原油価格の動向に左右させられる相場展開で臨むことが賢明であろう。
▼先週に不安視されていた米金融機関の決算発表が無事通過したことで、米経済の緊張が和らいでいるが、米経済指標を見る限りは、減税効果の影響もあり、弱冠ながら指標は持ち直しているが、住宅市況は中古市場と新築市場には好悪材料が混在しており、また、先行き景況観を測る地区連銀のベージュブックは景気後退を裏付ける内容であったが、先週末の耐久受注およびミシガン大学消費者信頼感指数が大幅に上方修正されるなど、市場は目先の経済指標にも翻弄されやすい状況にある。根本的には米経済の改善とは言い難い状況が続くと思われるが、一方、ドイツIFO景況指数などの経済指標に見られるように、ユーロ圏の経済後退観測が浮上しており、ユーロ圏の景況感も悪化しているため、ユーロが売られやすい状況にあることは否めない。それゆえに、相対的にはドルの自律反発と到底言えない状況であろう。
今週は強いてあげるならば、米DGPと雇用統計に注目が寄せられるが、市場を一変させるほどの材料ではなく、原油価格の動向に注視して臨むことが賢明であろうが、実際問題として、原油価格の先行きは不透明であり、120ドル円割れの可能性もあるが、130ドルに復活の可能性もあり、戦略的にはレンジ相場で臨むことが賢明であろう。ドル円106~108.50、そしてユーロドル1.5550~1.5800のレンジ相場をイメージして取り組むことを勧める。
●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2008年7月27日(日)
原油価格が低位安定しており、総合的な判断からは主要3大通貨[ドル・ユーロ・円]との相関関係が徐々に調整局面を迎えている。本チャート上ではドルの過小評価が是正されており、ドルチャートからドルの強弱を見ると、現時点での適正水準はドル円110〜110.50円、そして、ユーロドルは1.5450〜1.5500レベルに位置している。故にユーロ円は170円レベルが上限レベルとなる、ドル円の上値の重さを重視し、ドル円の上限を108.50円とすれば、ユーロドル1.5300レベルが適正水準であり、ユーロ円は166円が適正水準になる。それだけクロス円通貨自体の振幅幅が生じやすい相場展開であり、クロス円取引の難しさを証明している。他では繰り返しになるが、オセアニア通貨の裁定取引[豪ドル売り/NZドル買い]は統計的にもリスクは限定的なレベルまで達しており、乖離幅25円を最終損切りポイントとして考慮すればリスクは限定的であろう。
HP新外為の森:http://www.justmystage.com/home/kentish/
ペットチャート:http://www.justmystage.com/home/kentish/sub4.html
▲ドル円 ユーロから見るドル円相場 (ユーロドルVSユーロ円)
平均乖離幅0.0500 現状乖離幅 0.0407→0.0466⇒ドル円107.90円
A)1÷ユーロ$1.5700=0.6369(B)100÷ユーロ円169.40=0.5903(A-B=0.0466)
ドル円相場が106円前後をニュートラルとして、レンジ相場を形成している。先週の弱い売りシグナル106.90から、今週は通常レベルの売りシグナル107.90が点灯している。当面の売買の目安として105.50~108.50に焦点があたる。(買いターゲット106.00)
▲ユーロドル(ユーロ円−ドル円)平均乖離幅54円 現状乖離幅 62.45→61.50円
1.6000台からの強い売りシグナルが生じており、段階的に続落している。先週の強い売りシグナル1.5842から下落しており、今週も引き続き売りシグナル1.5700が点灯している。(買いターゲット1.4900〜1.5000)
▲豪ドル(ドル円−豪ドル円)平均乖離幅10円 現状乖離幅 3.15→3.75円
0.96台では高値警戒感があるが、先週は0.97台まで上昇し、かなり強い売りシグナル0.9705が点灯していたが、今週は再び下げに転じており、強めの売りシグナル0.9560が点灯している。(買いターゲット0.9300〜0.9250)
▲NZドル(ドル円−NZD円)平均乖離幅23円 現状乖離幅 25.40→27.80円
NZドルは利下げの影響から、豪ドルとは対照的に売りが加速している。先週の買いシグナル0.7615から急落しており、今週は強い買いシグナル0.7424が点灯している。
(売りターゲット0.7750〜0.7800)
▲カナダドル(ドル円−カナダ円)平均乖離幅0円 現状乖離幅 0.70→2.05円
レンジ幅が縮小しており、大勢としては1.0000~1.2000のレンジ幅で推移している。チャート上でも上記レベルでの売買シグナルが点灯している。先週の弱い売りシグナル1.0066から、今週は強めの売りシグナル1.0194が点灯している。(買いターゲット1.0000)
▲ポンド(ポンド円−ドル円)平均乖離幅107円 現状乖離幅 106.60→106.85円
先々週1.98台では買いシグナルが点灯しており、先週の中間地点ではポジション解消売りターゲット2.0000台に達したが、今週は再び1.9903で様子見が点灯している。 (様子見)
▲スイスフラン(ドル円−スイス円)平均乖離幅5円 現状乖離幅 2.40→3.85円
ドルの見直しと共に、先々週の強い買いシグナル1.0163から上昇を見せており、先週の買いシグナル1.0230に続き、今週も強めの買いシグナル1.0370が点灯している。(売りターゲット1.0650〜1.0700)
▲オセアニア通貨裁定取引 平均乖離幅13.00円 現状乖離幅 22.35→23.05円
乖離幅が20円台に乗せてから、乖離幅は段階的に拡大しているが、過去3カ月の推移は以下の通り。13.60→14.90→16.30→18.00→18.80→17.95→18.15→20.50→20.60→21.20→21.90→21.80→22.35→23.05 実に10円近く乖離幅が拡大している。今までに例を見ないほどのペースであり、25円まで乖離幅の拡大イメージがあればリスクは限定的であろう。AUD売り/NZD買いのナンピンシナリオに妙味がある。注:AUD売り/NZD買いの直接取引、または円の売買相当額を一致させたAUD円売り/NZD買いに注目。(ターゲット15〜16円)
▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円(260円以下は円高⇔275円以上は円安)
過去の四半期ごとの平均は2006年度上半期253円、下半期267円 2007年度は第1四半期276円、第2四半期284円、第3四半期279円、第4半期277円。2008度第1四半期の平均は263.04。第2四半期の平均は266.95円。7月の第1週は274.40、第2週は275.55、第3週は276.25、そして今週は169.40+107.90=277.30の円安警戒レベルに突入している。
★欧州3大通貨
▲ユーロポンド 平均乖離50円 現状乖離幅 44.15→45.35円
先々週の警戒レベルの売り0.8012から続落している。先週の強い売りシグナル0.7932に引き続き、今週も強い売りシグナル0.7888が点灯している。
(買いターゲット0.7500〜0.7600)
▲ユーロスイス平均乖離62円 現状乖離幅 64.85→65.35円
ここしばらく強い売買シグナルは点灯しており、様子見状態を継続している。先週の様子見1.6206に引き続き、今週も引き続き様子見1.6281が点灯している。(様子見)
▲ポンドスイス 平均乖離112円 現状乖離幅 109.00→107.40円
依然として、強い買いシグナルが続いている。先々週の買いシグナル2.0212から、先週も強い買いシグナル2.0431が点灯していたが、今週も引き続き買いシグナル2.0639が点灯している。(売りターゲット2.1300〜2.1400)
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★各通貨別チャートは新外為の森ホームページよりもご覧になれますのでご参照ください。
★本ペットチャートは常に3〜4段階の少な目の分散投資戦略をお勧めしています。
尚、最終的な投資判断は投資家ご自身の責任で行なって下さい。
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