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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ドル改善の兆しあり、原油高では売れないドルへ!

信用収縮危機は遠のいた兆しは見られてはいたが、先週は米保険最大手のAIGが予想を大幅に上回る赤字決算発表に伴い、信用収縮が再び市場にネガティブな反応を見せている。いずれにしても、サブプライム問題の蒸し返しが事あるごとに発生するが、日米欧の金融政策スタンスには大きな動きは見られておらず、一時買い戻されたドルは下落傾向にあるが、日米欧経済が共に下振れリスクを暗示させている状況なだけに、ドルが加速的に売られる状況ではなく、今週も目先の経済指標と要人発言に右往左往する相場展開が予想される。

今週の経済指標は数多く発表されるが、一般的には日欧の経済指標は大方良好見られているだけに、やはり、米経済指標に関連付けた相場展開になるではあろうが、住宅関連を除けば一服感が生じており、株式市場と原油価格の動向を探りながら相場展開となるが、原油価格が史上最高値を更新中でもあり、ドルを買い戻す動きは封じられてはいるが、今ではイラン石油相までもが1バレル200ドルの可能性を指摘しているように、原油価格が100ドルを超えた時点で景気下振れリスクが日米欧経済に共通した概念に達しており、原油高が即座にドル安に繋がらない構図が根付いていると解釈する必要があるだろう。

今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2008年5月11日(土)
下記のページより随時ご覧ください。
HP新外為の森:http://www.justmystage.com/home/kentish/
ペットチャート:http://www.justmystage.com/home/kentish/sub4.html
▲ドル円 ユーロから見るドル円相場 (ユーロドルVSユーロ円)
平均乖離幅0.1000  現状乖離幅 0.0325→0.0183
A)1÷ユーロ$1.5476=0.6462(B)100÷ユーロ円159.25=0.6279 A-B=0.0183⇒ドル円102.90円
状況的には乖離は縮小傾向であるが、100円前後の強い買いシグナルから105円台まで上昇を見せたが、先週の買いシグナル105.35から続落し、今週も引き続き買いシグナル102.90が点灯している。(売りターゲット107.00〜108.00)
▲ユーロドル(ユーロ円−ドル円)平均乖離幅40円  現状乖離幅 57.20→56.35円
1.58台の強い売りシグナルから、乖離幅の縮小が顕著であり、先週の売りシグナル1.5430に続き、今週も引き続き売りシグナル1.5476が点灯している。
(買いターゲット1.4950〜1.5050)
▲豪ドル(ドル円−豪ドル円) 平均乖離幅13円  現状乖離幅 6.75→5.20円
売りシグナルが0.93台から継続していたが、先週の売りシグナル0.9359から、今週は要警戒レベルの0.94台に突入しており、強い売りシグナル0.9436が点灯している。
(買いターゲット0.8950〜0.9000)
▲NZドル(ドル円−NZ円)平均乖離幅25円  現状乖離幅 23.05→23.80円
豪ドルの強さと反比例するように、NZドルの軟調が見られる。0.80前後では上値の重さが生じていたが、先週は0.7812の様子見レベルに達していたが、今週は買いシグナル0.7687が点灯している。(売りターゲット0.7850〜0.7900)
▲カナダドル(ドル円−カナダ円)平均乖離幅0円  現状乖離幅 2.00→0.60円
チャート上では先週まで弱めの売りシグナルが1.0194では点灯していたが、今週はほぼ様子見レベル1.0059に突入している。(様子見)
▲ポンド(ポンド円−ドル円) 平均乖離幅110円  現状乖離幅 102.45→98.05円
相対的に欧州3大通貨の中では弱含んでいるが、対ドルでは先週の弱い買いシグナル1.9725から、今週は強めの買いシグナル1.9529が点灯している。(売りターゲット1.9900)
▲スイスフラン(ドル円−スイス円)平均乖離幅15円  現状乖離幅 5.65→4.15円
急速に乖離幅の縮小がみられる。チャート上でも明らかにスイスフランの転換期と同時に、ドルの底堅さが生じている。先週の買いシグナル1.0567から、引き続き今週も買いシグナルが1.0426で点灯している。(売りターゲット1.0750〜1.0850) 
▲オセアニア通貨裁定取引 平均乖離幅12.00円  現状乖離幅 16.30→18.00
この数週間で乖離幅が急拡大している。13.50台から先週の18円まで速度を速めており、統計上では安全圏に突入している。豪ドル売り/NZドル買いに安心感がある。
(過去5年間の乖離幅レンジは4.00〜18.15円 2008年11月4日に18.15更新)
*注(クロス円の売買には円相当額を一致させること。またはAUD/NZDの直接取引)
▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円(260円以下は円高⇔270円以上は円安)
過去の四半期ごとの平均は2006年度上半期253円、下半期267円 2007年度は第1四半期276円、第2四半期284円、第3四半期279円、第4半期277円。
今年度1月平均は266.31円。2月平均は264.68円。3月平均は258.14と円高傾向。
4月平均は263.20円。先週は162.55+105.35=267.90と円安、今週は159.25+102.90=262.15と円高レベルに接近しており、円の上下動が激しい。
★ 欧州3大通貨ペア 
▲ユーロポンド 平均乖離52円 現状乖離幅 44.20→41.70円
0.80台の強い売りシグナルからは解消されているが、依然としてハイレベルの売りシグナルが点灯している。先週の売りシグナル0.7868に続き、今週も売りシグナル0.7925が点灯している。(買いターゲット0.7400〜0.7500)
▲ユーロスイス 平均乖離60円 現状乖離幅 62.85→60.50円
スイスフランの上昇が止まったことで、様子見段階に突入している。 先週の様子見1.6304から下げ基調にあるが、今週も1.6127で様子見が点灯している。(様子見)
▲ポンドスイス 平均乖離112円  現状乖離幅 108.10→102.20円
段階的に乖離幅が縮小傾向にあるが、いまだに強い買いシグナルが点灯しており、先週の買いシグナル2.0843から、今週も引き続き強い買いシグナル2.0349が点灯している。
(売りターゲット2.1200〜2.1300)
***************************★各通貨別チャートは新外為の森ホームページよりもご覧になれますのでご参照ください。
★本ペットチャートは常に3〜4段階の少な目の分散投資戦略をお勧めしています。
尚、最終的な投資判断は投資家ご自身の責任で行なって下さい。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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