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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

新米大統領に過剰期待は禁物?買えないドルとユーロ、そして円相場かな!

昨日は歴史上初の黒人新米大統領の誕生の日でしたが、相場は盛り上がりませんね。追加景気刺激策に乞うご期待という段階でしょう。
昨日は話題の映画『レッド・クリフ PART?』を鑑賞してきましたが、ジョン・ウー監督の下で中国の三国志を描いた壮大な映画を堪能してきました。
金城武『諸葛孔明』や中村獅童などの日本人が出演したことで親近感を覚える映画です。相場がトンネルの中ですので、壮絶な80万人対5万人の格闘シーンはストレス発散を兼ねて生き抜きなります。PART?は来年4月に予定されていますが、これは乞うご期待ですね。

▼オバマ新米大統領誕生にもかかわらず、NYダウは486ドルの大幅な下落に転じている。すでに追加景気刺激策が難航している模様であるが、選挙後の利益確定売りが優先された形で推移しており、米経済情勢の厳しさを暗示している。
昨日の米経済指標10月ADP全国雇用者指数が02年以来の低水準まで落ち込み、同時に10月ISM非製造業景況指数も予想以上に悪化している。 明日発表の米雇用統計にも悪化懸念が急拡大しているが、すでに米雇用統計の悪化は避けられない情勢であり、今回は金融セクターおよび製造業の雇用問題が明らかにされるだけに、想定以上の悪化が生じる可能性は否定できず、ドルの過大評価は自重すべきであろう。
昨日のドル円相場は微調整の円買い相場に終始している一方、ユーロドルは一時1.31まで急上昇したが、再度、当面の節目でもある1.3000割れの展開を見せており、上値の重さが確認されたが、市場は薄商いの中、相変わらず、投機筋の動きに翻弄され易い相場展開が継続されており、レンジ幅を拡大して方向性を再度確認する必要があるだろう。
今晩はBOE政策金利とECB政策金利の発表が相次ぐが、共に0.5%の利下げは確実視されているが、両政策金利とも下げ余地を十分に残しているだけに、ユーロドルの過剰期待は自重すべきであり、戻り売りを考慮してユーロドル1.300台からのショートを勧める。
本日のドル円はNYダウの下落を受けて、日経平均株価が軟調に推移しており、円高に傾斜しがちな相場展開であるが、相対的な観点からは、ドル円相場が膠着度を増しており、クロス円の相対的なレベルからは円買いを強行するリスクが生じている。
ドル円は99円台からの売りを勧めるが、買いは97円台半ば以下から模索することを勧める。ユーロドルは1.300台では上値の重さが確認された状態であるが、1.30前後からのショートと1.28台前後からのロングを勧める。
いずれにしても、当面はオバマ新政権に対する期待感と不安材料の中での荒っぽい相場展開が予想されるだけに、ボックス相場をイメージしながら戦略性を高めることを勧める。ドル円95〜100円、ユーロドル1.2600〜1.3100のレンジ幅を想定し、中途半端なレベルでのポジション構築は厳禁であり、ナンピン売買も考慮した上、損切りポイントを上記の95円割れや100円越えに設定して臨むことも一考であろう。



プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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