ユーロショートカバー優先!一巡後の戻り売りに注意?
安住淳財務相は13日午後の参議院予算委員会で、為替市場での円高について、日本経済の実態を反映していないとの認識を示した上で、「こうした動きが景気マインドに悪影響を与え、日本経済を下振れさせることを懸念しており、引き続き為替市場の動向に緊張感をもって注視し適宜適切に対応していく」と述べている。日銀の白川方明総裁も円高は企業収益やマインドを通じ、日本経済の短期的な下振れ要因と指摘した上、本日から開かれる金融政策決定会合では「為替の動きなどを十分踏まえ、適切な政策運営を行いたい旨を述べており、円を積極的に買う動きは後退している。
一方、マーケットは17日のギリシャ再選挙に注目しているが、選挙後もユーロ離脱懸念が燻ぶり続ける可能性が指摘されており、各国はギリシャのユーロ離脱に備えた準備を進めているが、また、ここ数日間においても、ギリシャ大手銀行からの預金引き出しペースが拡大する中、一部では、1日当たり8億ユーロとも報じられているなど緊迫度を増している。その中、昨日はユーロのショートカバーが優先される恰好で、一見底堅い状況にあるが、ユーロの買い戻しは限定的と見なした方が無難であろう。
他方、先のスペインの支援要請は市場により、市場には一服感を与えているが、欧州財政危機の沈静化には程遠く、欧州債券市場では、スペイン債とイタリア債は売り込まれ、スペイン10年債利回りはユーロ導入来の高止まりの傾向を見せる中、イタリア10年債利回りは6.1%とドイツ債との利回り格差は4.60% となっている。そして、本日予定されているイタリア国債入札(45億ユーロ相当)も案じられているように、欧州圏を取り巻く環境は、依然として、厳しいものがある。
他方、米国債利回りは、米小売売上高の減少や欧州債務危機の悪化懸念を受けて、昨日の10年債入札は需要が拡大し、最高落札利回りは過去最低の1.622%を記録するなど、リスク回避の選別化に歯止めがかからない状況にある。