ドル円76〜77円、ユーロドル1.3500〜1.3700のレンジ相場継続?
ドイツ議会が欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の拡充案を賛成多数で可決したことや、米経済指標が良好な内容だったことを受けて、リスク回避志向が弱冠和らぎ、NYダウは寄り付き直後に260ドル高まで急伸しているが、上昇局面ではポジション整理とみなされる売り圧力に屈しており、143ドル高にとどまっている。
一方、EU、IMF、ECBのトロイカ調査団が再度ギリシャ入りしているが、80億ユーロの次回融資が実行できるか最終判断される予定であるが、市場では一時しのぎの対策とみなされており、ギリシャのデフォルトを払しょくするには不十分との見方が少なくない。
他方、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)のレバレッジ規模を拡充する案に関して、来週早々にユーロ圏財務相会合で討議される予定であるが、既に、ドイツ政府としてはEFSFのレバレッジ活用は望んでいないとの立場を示している。
いずれにしても、ギリシャのデフォルト懸念に端を発したEFSFの規模拡大やレバレッジ案などは、今後、スペインやイタリアなどの重債務国への波及を危惧した措置として認識されているが、依然として、両国の国債利回り上昇に歯止めは掛かっていない状況であり、EFSFの拡充策のみでは、ユーロ圏における不透明感は払しょくできる状況ではなく、現時点では積極的にユーロロングを維持する難しさに直面している。
それ故に、市場のコンセンサスはユーロの戻り売りに傾斜せざるを得ない相場環境にあると言わざるを得ないだろう。
その他では、ドル円は77円台をワンタッチしたものの、同レベルでは実需や利益確定売りが常駐しており、再度77円台の上値の重さが再認識されており、ユーロドルと同様に戻り売り志向を強めている。