不安定なユーロ上昇局面!1.45前後で一旦ポジション解消優先?
財政懸念が拡大しているイタリアとスペインの国債金利が上昇する中、欧州中央銀行ECBが毎週月曜日に発表される国債購入額が週間統計で過去最高の220億ユーロの国債購入を実施したことが公表。そして、先にスイス中銀がスイスフランのユーロペッグ制を導入する可能性を示唆していることから、市場には潜在的にスイス売り・ユーロ買いに傾斜していることがユーロドルの上昇に拍車がかかっている。
一方、先のフランスの国債格下げ問題などがユーロ売りを助長させた側面があるが、同時に、域内で3,4位にあるイタリアとスペインの財政不安が表面化したことを受けて、相対的に欧州債券市場の低下が懸念されていたが、昨日、イタリア財務省は債券市場の混乱防止に向けて、ユーロ共同債の導入を提案するなど、改めてユーロ共同債に注目が集まったこともユーロ買いを助長させている。ただし、財政難にないドイツやオランダなどはユーロ共同債導入については、重債務国との整合性が問題視されているように、依然としてハードルは高いと言わざるを得ないだろう。
それ故に、本日予定されている独仏の首脳会談に注目が集まるが、双方ともに既に、共同債には反対の意向を告げているが、ユーロ財政危機と共に、ユーロの存亡にも繋がるだけに、ある程度の歩み寄りがあることは一考すべきかもしれない。
他方、昨日発表された8月NY連銀製造業景気指数が予想を大幅に下回ったことから、米景気減速懸念が拡大すると共に、全般的に米ドル売りが優勢となり、ユーロドルは1.43前後からストップロスを巻き込み、1.44台後半まで急速に買い戻されている。
しかしながら、短期筋としては、ユーロ圏を巡る不安要因が常に付きまとう状態なだけに、ユーロロングを維持する難しさもあるが、同時に、1.45台では利益確定や新規売りと共に、上値の重さを意識せざるを得ないだろう。
●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2011年8月14日
▼ドル円⇔ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)
平均乖離幅 0.1900 現状乖離幅0.2089→0.1928
(A)100÷109.45=0.9137−(B)1÷1.4251=0.7017=0.2120
先週の弱めの買いシグナル78.40円から下落しており、今週は通常の買いシグナル76.80円が点灯している。中期チャートにおいては、依然として、強い買いシグナルが点灯しており、現状レベルからのからの押し目買いに妙味が生じている。
★売りターゲット(78.00〜78.50)
▼ユーロドル(ユーロ円−ドル円)
平均乖離幅 32.80円 現状乖離幅 33.65→32.65円
先週の様子見1.4292から若干下落しているが、今週は弱めの売りシグナル1.4251が点灯している。中期チャートにおいても弱めの売りシグナルが点灯しており、1.44前後からのナンピン売りに妙味が生じている。
★買いターゲット(1.4050〜1.4150)
▼豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅 −2.80円 現状乖離幅 −3.60→−2.75円
先週の売りシグナル1.0459から若干下落しており、今週は弱めの売りシグナル1.0358が点灯している。中期チャートにおいては通常の売りシグナルが点灯しており、1.05台以上からのナンピン売りに妙味が生じている。
★買いターゲット(1.0150〜1.0200)
▼NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅 14.20円 現状乖離幅 12.25→12.90円
先週の売りシグナル0.8438から下落しているが、今週も引き続き通常の売りシグナル0.8320が点灯している。中期チャートにおいては依然として、強めの売りシグナルが点灯しており、0.85台以上からのナンピン売りに妙味が生じている。
★買いターゲット(0.8100〜0.8200)
▼カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅 −1.80円 現状乖離幅 −1.70→−0.70円
先週の様子見0.9788から上昇に転じているが、今週も引き続き様子見0.9910が点灯している。中期チャートにおいても同様に、様子見が点灯しており、0.9600〜1.0000のレンジ相場を形成している。★様子見
▼ポンドドル(ポンド円−ドル円)
平均乖離幅 49.80円 現状乖離幅 48.45→48.25円
先週の様子見1.6397から下落に転じているが、今週は弱めの売りシグナル1.6283が点灯している。中期チャートにおいても弱めの売りシグナルが点灯しており、1.6000〜1.6500のレンジ相場を形成している。★買いターゲット(1.6200)
▼ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅 −21.30円 現状乖離幅 −23.90→−21.85円
先週の強めの買いシグナル0.7664から上昇に転じており、今週は通常の買いシグナル0.7785が点灯している。中期チャートにおいては、依然として、強い買いシグナルが点灯しており、現状レベルからの押し目買いに妙味が生じている。
★売りターゲット(0.7950〜0.8050)
▼オセアニア通貨裁定取引
平均乖離幅 17.00円 現状乖離幅 15.85→15.65円
先週の乖離幅自体には変更はないが、急激な円高相場により、短期チャートでは平均乖離幅の変更が発生したことを受けて、損失確定売買が伴っている。ただし、中期チャートでの変更はなく、短期では弱め、そして、中期チャートでは強めの豪ドル買い・NZドル売りシグナルが点灯している。過去の週間ごとの経緯は以下の通り。
19.10→18.15→20.00→20.15→21.00→21.85→22.70→21.40→22.20→22.80→23.20→21.40→22.25→23.20→22.45→21.85→22.05→20.50→20.60→18.65→19.95→19.20→20.20→19.20→17.30→17.30→16.95→15.85→15.65円
★ターゲット(17.00円)
▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円
2007年度平均279円、2008度平均は255円。2009年度平均は224円、2010年度1月平均222.70円、2月平均213.90円、3月平均213.50円。4月平均219.40円、5月平均208.60円、6月平均201.85円、7月平均199.40円、8月平均196.50円。9月平均194円。10月平均196.10円。11月平均195.30円。12月平均193.70円。2011年度1月平均は192.55円。2月平均は195.30円、3月平均は196.00円。4月平均は203.80円、5月平均は197.15円、6月平均は195.60円、7月平均は194円、8月第1週は187.50円、第2週は190.45円。そして、今週はユーロ円109.45+ドル円76.80=186.25円と円高に警戒信号が点滅している。
(目安*190円以下は円売り局面⇔200円以上は円買い局面)
●欧州3大通貨比較
▼ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離 17.00円 現状乖離幅 16.50→15.65円
先週の様子見0.8716から若干上昇しており、今週は弱めの売りシグナル0.8752が点灯している。中期チャートにおいては、ほぼ様子見が点灯しており、0.8500〜0.8900のレンジ相場を形成している。★様子見
▼ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離 11.50円 現状乖離幅 9.75→10.80円
先週の強めの買いシグナル1.0953から上昇を速めており、今週は通常の買いシグナル11095が点灯している。中期チャートおいては、依然として、強い買いシグナルが点灯しており、1.1000前後からの押し目買いに妙味が生じている。
★売りターゲット(1.1350〜1.1450)
▼ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離 28.50円 現状乖離幅 26.25→26.40円
先週の強めの買いシグナル1.2566から上昇に転じており、今週は通常の買いシグナル1.2676が点灯している。中期チャートおいては強い買いシグナルが点灯しており、現状レベルからお押し目買いに妙味が生じている。
★売りターゲット(1.2950〜1.3150)