米長期金利低下は想定内!過度なドルショートは自重局面?
米国の10年債入札が好調な結果になったことを受けて、米長期金利が急低下する中、市場は対ユーロでドル売りが優先されている。米金利先高観測の影響から米10年債利回りが3.7%台の高値圏で推移していただけに、リスク回避も含めた利益確定買いが優先された恰好である。
一方、バーナンキFRB議長の議会証言では、テーマが経済、雇用、財政問題にあっただけに注目度は高かったが、結果的には前回の講演を踏襲した恰好であり、サプライズ要因にはなっていない。証言内容は、インフレ率は物価安定水準を継続的に下回る可能性が高く、また、失業率の改善が見られるものの、景気後退時には800万人の雇用が失われており、現時点で100万人程度しか回復しておらず、経済成長が加速したとしても、正常な雇用水準に戻るには4〜5年かかる可能性があると慎重な姿勢を示し、相対的に量的緩和第2弾の正当性を強調したことがたことがドルの重石になっている。
他方、ユーロ圏では特筆すべき材料はない中、今年10月に任期切れになるトリシェECB中銀総裁の後任候補として見られていたウェーバー独連銀総裁が、次期ECB総裁に立候補しないと報じられことで、一時ユーロ売りを誘引したが、相対的に注目度は低く、為替相場への影響は限定的である。
世界株高を背景として、世界経済は緩やかに回復力を強めているが、中国並びに新興国頼みの経済成長と解釈されており、依然として、日米欧経済が難題山積であることは変わらない。しかしながら、先進国の中では米経済が一歩も二歩もリードした状況であり、過度なドル売り志向は後退していると判断するのが無難であろう。
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