パリ同時テロ発生で視界不良!?
予想レンジ
ドル円 121.50〜123.00
ユーロ円 130.50〜133.00
ユーロドル 1.0680〜1.0830
豪ドル円 86.30〜88.00
***************************
先週末発表された10月の米小売売上高は市場予想を下回り、また、10月の米生産者物価指数(PPI)は市場の予想外に低下し、2カ月連続でのマイナスとなる一方、11月の消費者マインド指数は市場予想を上回る伸びとなるなど好悪相混じる内容であるが、市場は米金利先高観測や原油価格の急落などを背景に、NYダウ平均株価は利益確定売りに圧される格好で前日比202ドル安と続落している。そして、取引終了後にパリで同時多発テロが発生したことが伝わり、米国先物市場では下げ幅を拡大する中、CME日経平均先物も下落基調を強めており、本日の東京株式市場は波乱含みの展開を余儀なくされている。
一方、ドル円は米金利先高観測と中国経済の減速懸念に挟まれる格好で122円台半ば前後で膠着度を強めているが、世界経済の不透明感や地政学的リスクを踏まえながら、連邦準備理事会(FRB)が12月に利上げに踏み切ったとしても、その後の引き締めペースは段階的にとどまる公算が高く、積極的なドル買いは手控えられており、徐々にドル円123円台の上値の重さが意識されている。
他方、ユーロドルはECBの追加緩和策への期待感が増す中、引き続き1.08台では利益確定やポジション調整売りに圧されているが、反面、1.07割れの段階では割安感とユーロショートの積み上がりによる買戻しも散見されるだけに、当面、1.0700〜1.0800レンジで一進一退の展開が予想される。その中、トルコで開催されているG20において、通貨安競争も話題に上がると見込まれていたが、パリの同時多発テロにより、急きょテロ対策に協議が集中する模様であり、株及び為替市場への影響を考慮すれば、当面はレンジ幅を拡大すると共に、少なめのポジショニングで対応することが得策であろう。