原油価格の下落で物価目標下降!日米欧同時利上げで問題解消??
注目された米4-6月期GDP速報値は市場予想を下回ったものの、前期比年率で+2.3%と2012年第1四半期以来の水準まで達している。また、1−3月期は−0.2%から+0.6%へ上方修正されるなど、米経済が順調に推移していることが裏付けられたとも解釈できる。そして、米利上げ時期が9月にも実施される可能性が高まっており、相対的にドルの買戻し志向は根強いものがある。
一方、ドル円は124円台半ば前後まで一時上昇したが、同レベルは6月に黒田日銀総裁が円安牽制したレベルでもあり、相対的に警戒感を踏まえた利益確定や実需売りが散見されるなど、やや伸び悩んでいる。ただ、市場の原理原則としては、遅かれ早かれドル円125円トライが視野に入っており、引き続き底堅い展開には変わりがないが、日米当局が再度けん制する可能性も残されており、当面、ドル円124円台半ば以上では、一旦清算局面と捉えた方が無難であろう。
他方、ユーロドルはIMFがギリシャを支援するには安定的な計画が必要とした上、ギリシャ情勢は非常に困難であるが、今後も債務減免の誓約が無ければ支援できない旨を伝えており、ユーロドルは一時1.09割れになるなど、警戒感を強めている。ただ、1.08台半ば前後ではユーロショートの巻き戻しが頻繁に起こっており、短期筋としても、月末を控えて、拙速的な売りは手控えざるを得ない状況にあり、当面、1.0850〜1.1000のレンジ幅で逆張り待機が一考であろう。
穿った見方になるが、米国は金融引き締め策を講ずる中、日欧は金融緩和策を余儀なくされるなど金融政策の相違がドル買いを後押ししているが、ここ最近の原油価格の急落により、日米欧共に物価目標2%を下回るなど、利上げのきっかけをつかみづらい状況にある。日米欧当局は金利正常化に向けて、ゼロ金利政策からの脱出が求められている以上、仮に、日米欧共同で利上げを実施すれば、株、債券、そして、株式市場への影響は限定的
になるとも言える。実現は難しいが??