ドル調整売り優勢も一時的現象!?
予想レンジ
ドル円 123.00〜124.50
ユーロ円 134.50〜136.30
ユーロドル 1.0880〜1.1000
豪ドル円 90.80〜92.50
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市場の関心がギリシャ問題や中国景気減速懸念が一服していることから、相対的に米金利動向に注目が集まっているが、昨日発表された米企業の決算が冴えない結果となる中、フィラデルフィア連銀が発表した7月の非製造業指数の注目度は低いものの、前回の54.1から8.1と異常とも思えるほど急低下しており、心理的な圧迫要因も加わり、米国株式市場ではNYダウ平均株株価が181ドル安と再び18,000ドル割れとなったことから、ドルの調整売りが優先されている。
一方、ドル円は米ドルの調整売りが優先される中、黒田日銀総裁がタイでの講演後に、日本のインフレ率は向こう数カ月で相当加速すると予想、日本のインフレ率は16年度上期に2%目標に達すると見込む中、現時点で一段の追加緩和(QE)は必要ないと発言したことも円買いに波及している。改めて、ドル円125円台の上値の重さが意識される中、市場は日経平均が6日続伸している反動への警戒感を強めており、株安による円高基調も手伝い、ドル円は戻り売り優勢の展開が予想される。ただ、ドル円123円台半ば割れでは日米金利差拡大や利益確定買いなどを背景に底堅い展開も予想されるだけに、当面、123.00〜124.50円のレンジ幅で待機策が賢明であろう。
他方、ユーロドルはギリシャ懸念が小休止していることから、1.08台半ば前後から1.09台半ばまで反発しているが、あくまでも、一時的なドルの調整売りやユーロショートの巻き戻しによるところが大きい。依然として、1.100前後では戻り売りや利益確定売りが随所に散見されており、上値は限定的であろう。そして、ユーログループはギリシャの救済支援で合意したものの、ユーロ諸国の温度差はさらに高まりを見せている。ギリシャの最大債権国でもあるドイツは、今後もギリシャが資金返済に難色を見せれば、ユーロ離脱問題がユーロ売りを加速する可能性は捨てきれないだろう。