ドル円株価動向をにらみ100円前後で正念場!?
為替市場全般においては、世界の株価動向を注視しながらの相場展開に陥っているが、昨日のNYダウが反落したことを受けて、ドル円は100円前後で積極的に身動きが出来ない状況が続いている。概ね円相場自体はポジション調整が一巡した可能性が高いものの、依然として、どちらにも振れ易い神経質な相場環境を余儀なくされている。ただ、先に日本政府が公的年金の運用を見直し、株式や外貨建て資産の運用を拡大する方針だと伝えられている関係上、相対的にドル円の下値は底堅いとの声は少なくない。
一方、最近の米経済指標の結果がまちまちの中、FRBのQE3の縮小が問われているが、市場の関心は徐々に週末の米雇用統計に移行している。5月の非農業部門雇用者数は前月比17万人増の見込みであり、前月分と変更はない見通しであるが、昨日、ラスキンFRB理事は労働市場は景気後退期から改善見られるが、先行きの道のりはまだかなり長いとし、米失業率は依然高止まりしており、公式の失業率は問題を過小評価していると指摘している。
市場の反応は限定的であるが、米株式市場に過熱感が生じているだけに、雇用統計の悪化を踏まえたポジショニングが一考かもしれない。
他方、ユーロドルは4月のユーロ圏生産者物価指数(PPI)は一段と落ち込み前月比では約4年ぶりの大幅なマイナスとなり、欧州中央銀行(ECB)による追加利下げの可能性は更に強まっている。明日のECB月例理事会においては、政策金利は維持される見通しであり、相場を動意づかせる難しさがある。市場は理事会後のドラギECB総裁に注目するしかないが、現時点では上値を追う展開ではなく、戻り売り主体の展開が優勢である。いずれにしても、ユーロ主導の展開ではなく、ドルおよび円相場の動向に左右される展開と判断し、当面、1.30000~1.3150のレンジ幅で逆張り待機が一考であろう。