ドル円時期尚早も80円台が意識!ユーロ損切りと利食いの狭間!
前日発表されたムーディーズのスペイン国債の格付け据え置きを好感し、ユーロは底堅い動きが続いている。また、ドル円もリスク回避志向が和らぐと共に、79円台へと市場は様変わりの様相を見せ始めている。
一方、昨日発表された9月の米住宅着工件数が4年ぶり高水準となったことで、相対的に安全資産としての需要が後退したことがドル売り・円売り志向に傾斜している。その中、スペインとイタリアの国債相場が上昇「利回り低下」し、米国10年債利回りが1.8%台まで上昇、日米金利差拡大を背景に、円売りを誘発させている。
他方、サマラス・ギリシャ首相はトロイカ調査団との協議は大詰めに来ており、まもなく、第2次支援実施に漕ぎ着けるだろうと述べる一方、トロイカ調査団も改革推進に必要な中核的措置の大半でギリシャと合意した旨を発表。加えて、ユンケル・ユーログループ議長はスペイン、ギリシャは良い方向に向かっていると発言、ギリシャはユーロ内に存続することに言及していることなどがユーロの後押し要因になっている。
ただ、市場のコンセンサスとしては、様々な憶測が飛び交う中、仮に支援要請を受けたとしても、スペインの格下げ問題が終焉されたわけでもなく、また、ギリシャのユーロ離れと共に、スペイン並びにイタリアの格下げ問題が再浮上する可能性から、ユーロを積極的に買い上げる機運とは言い難い。それ故、現時点では、希望的観測の域を脱しておらず、ユーロが過大評価されているとの見方も依然として根強いものがある。