外国為替取引ニュースサイト

  1. トップページ
  2. >コラム・レポート
  3. >鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー
  4. >外為
  5. >初心貫徹、ストップロス保険加入漏れにはご注意を!

コラム & レポート

バックナンバー

鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

初心貫徹、ストップロス保険加入漏れにはご注意を!

先週末に突然アルバイトをしたいと我が家の厚化粧のお嬢様?が物申す。それも場所が渋谷のセンター街のカラオケ屋さんと言うので母親はもちろん猛反対。しかし、労働やお金に対して自覚がない娘にとっては、はじめての経験であり、小遣いもいらないと意志は固い。私自身は自覚を求める為にも即座にOKしたが、案の定、昨日まで3日連続で皿洗いと慣れない接客業で心身とも疲れきっている様子。さすがに今日はグッタリして、学校を休むハメになってしまいました。学業優先が条件とは言いながらも、ちょっぴり前進した姿に親バカの私としては満足していますが、元お嬢様(奥さん)は怒り心頭は言うまでもない。娘と母親の反抗期に耐え忍んでいる次第です。娘が母親を追い越すことは時間問題でしょうが、何でも否定することには反対であり、少しばかり早くても自業自得の世界を味合うのも社会勉強になるでしょう。
難しい為替相場が続いていますが、為替は他人に教わっている間は負けても軽傷ですが、一人歩きすると交通事故に必ず出くわしますのでストップロス保険は絶対にかけましょう。初心者、自称中級者および上級者を問わずに常に過信は禁物です。

▼下振れリスクが顕在化している中で、サブプライム問題に端を発した金詰りに対して、米欧は大手金融機関に対して潤沢な資金供給によって凌いでいるが、米財務省は再度米銀行の経営破たん件数が過去の平均的な水準を上回る可能性があると指摘しているように信用収縮不安を払拭できずに利下げサイクルが余儀無くされていたが、来週のFOMCにおいて利下げ幅0.25%を最後に追加利下げを終了する可能性が高くなっている。今までは利下げ効果によって信用収縮不安を和らげ、かつ景気浮揚を試みてはいるが、逆に過剰な資金流動性が商品市況に集結した結果、原油価格の高騰を招いている事は否定できず、それ故にインフレ懸念が高まる中で過度な追加利下げには否定的な見解が少なくない。但し、利下げ幅に関しては未だに流動的ではあり、市場は既に0.25%の利下げ幅は折りこんではいるが、一部では金融不安を払拭するには最終的な打ち止め策を講じる必要があり、0.5%の利下げも考慮しなければならないだろう。その際にはドル売りが一時的には加速するであろうが、信用不安に対する積極策として捉えれば、ドルの下げ余地は限定的と見るべきであろう。
一方、ユーロ圏でのインフレ懸念は米国よりも尚一層強く、ECBとしても金融不安が生じてはいるが、各国要人発言に見られるようにインフレ懸念優先の構え崩しておらず、利下げには応じられないのが現状である。しかしながら、インフレ抑制に貢献していたユーロ高に対する疑念が生じており、ユーロドルの上値の重さにも通じていることは否定出来ない。当面は1.59台半ば以上の上値の重さが生じており、同レベルではポジション解消売りが散見されているだけに、同レベルからの売りを勧める。下値は堅調ではあるが、現状では1.59前後の売り意欲が増しているため、1.58台半ば割れからの買いを摸索することが賢明であろう。
ドル円は104円前後の上値の重さがあるが、103円割れではポジション解消買いの動きがあり、同レベルでの買いと103円台後半からのショートが順当であろう。
いずれにしても、方向感に欠ける相場展開であり、当面は株式市場及び原油市場の動向を探りながらの始動が中心となるが、要人発言も含めて多岐に渡る材料に翻弄されているのが実状であり、レベル的には投機筋の思惑はユーロドル1.6000で既に達成しており、次のステップに向けての戦略性が求められるが、原油価格と株式市場の動向を見極めたいのが市場心理の核心であろう。

▼他方、豪ドルは高金利と有資源国通貨の強みを発揮しており、昨日は24年来の0.95台を実現している。主要通貨間との比較からは流動性の面では劣るが、リスク面、金利面、そして、サブプライムローン問題などの影響も軽微であり、投資判断の優位性を活かしており、第二の避難通貨の役割を着実に築いている。ドル円100円台の底堅さが生じている段階では豪ドル円100円を視野に入れている機関投資家も存在しており、投資ファンドの設定対象通貨として脚光を浴びる可能性さえもある。時期尚早とは言えるが、ドル円の堅調地合とともに、円キャリートレードの思惑が働く事を想定してクロス円の押し目買いに妙味が生じている。反面、通貨高の懸念は拭えないレベルであり、常に急落を想定した円キャリートレード思考に留めるべきであり、ストップロスの配置に注意して臨むことを勧めるが、リスク分散とヘッジ目的を兼ねて、ユーロ円、ドル円、そして豪ドル円を含めた3種類ぐらいのバスケット方式を取り入れることも必要であろう。今現在ではドル円103.50円+ユーロ円164.00+豪ドル円98.00=合計365.50円を基準として、単純明快に364円割れからの買いと370円前後の売りシナリオに基づいた売買を一考したい。相場に翻弄されないためにも常に少なめのポジションで臨むことが必要であろう


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

ニュースクラウド