外国為替取引ニュースサイト

  1. トップページ
  2. >コラム・レポート
  3. >尾関高のFXダイアリー
  4. >インターネット取引

コラム & レポート

バックナンバー

尾関高のFXダイアリー

インターネット取引

■ネット化

 2000年ごろから、為替を扱うシステムがパッケージ的に売られるようになり、それにあわせて、インターネット取引機能も徐々につき始めました。これらは、Java言語による開発力の成熟とブロードバンドインフラの定着に足並みをそろえているようにも見受けられます。バックのデータベース系は既存のものとなにもかわらないのですが、インターネットで取引するシステムとなると、一気に選択肢が少ない時代でした。今でこそ何でもありという状態で、何億もするシステムから数千万円までよりどりみどりです。


■日本でのFXはホームトレードに最適

 インターネット取引ができるようになったことで、自宅からいちいち電話をしなくても取引がプロのディーラーのようにできるようになったわけですが、さらにいい点として、元来為替は夕方4時、5時のロンドン市場が参加しだす時間から、夜のニューヨーク市場が参加しだす9時、10時、そしてアメリカのいろいろな経済指標が発表される夜10時、11時に流動性が増すものです。ラッキーなことに日本時間において、こういう時間帯は夜です。ということで、毎日帰宅後夜の9時ごろから12時ごろまで集中的に相場に張り付いてデイトレ−ドをする個人投資家の方にとっては、最高の時間帯に自宅で取引をすることができるわけです。


■ならば株式市場も。。。。

 いつも私が思うことですが、株式市場においても、個人が投資家の重要な位置をしめるのであれば、彼らが落ち着いて相場での取引ができる夜間こそ取引所はあいているべきではないかと思っています。源泉税をどうするとか時間延長を1時間ぐらいなどという処方箋よりも、夜12時まであいているほうがよっぽど売買高は増えると思うのは私だけでしょうか。無論、上場企業の重要な情報についても、個人投資家が不利にならないように、夜の9時に発表するとか。そうすると、国内の株式市場も上場企業の情報と、海外の資本市場や、経済指標の影響を受けるようになるので、より流動性を伴った市場が形成されるのではないでしょうか。


■ネットで取引するリスク

 ネット取引は便利です。ストイックにトレードに集中できるし、情報は目の前に文字で自動的に更新されるし、便利このうえないものです。しかし、その反面、パソコンの基本的な操作方法を知っていないと使いづらいものになりうるし、回線(プロバイダー)の障害や、パソコンに忍び込むウイルスなど気にしないといけないことも多いのが事実です。いわゆるデジタルディバイドの内側にいる人にとっては大変便利でも、そうでない外側のひとにとっては入りたくても入れない代物です。

私自身ネット取引は便利だと感じますが、かといって電話取引を軽視するつもりはありません。むしろ電話取引のできない業者での取引は基本的にしない方針です。システムは所詮システムでありこの世の中に今のところ絶対故障しないシステムはないからです。ネットシステムが故障したら電話で取引が継続できる業者が安心だと思います。


プロフィール

尾関高

Takashi Ozeki

1986年名古屋大学経済学部卒業。1988年サンダーバード経営大学院(アリゾナ州、米国)卒業。主に日短エクスコにて約9年間、インターバンクの通貨オプションブローカーを経験し、1998年からひまわり証券(旧ダイワフューチャーズ)にて日本で最初に外国為替証拠金取引をシステム開発から立ち上げ、さらに、2006年5月に、これも日本で最初にCFDを開始した。
その後米国FX業者でのニューヨーク駐在や、帰国後日本のシステム会社勤務等をへて、現在は、日本の金融システム会社勤務。そのかたわら、本業のみならず、FXや新たな金融市場にかかわるさまざまな分野においても積極的に意見具申中。
拙著に、「マージンFX」(同友館、2001年2月)と「入門外国為替証拠金取引~取引の仕組みからトラブル防止まで~」(同友館、2004年6月)、また訳書「CFD完全ガイド」(同友館、2010年2月、著者:デイビッドノーマン)がある。

ニュースクラウド