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尾関高のFXダイアリー

金、金、金!ゴールドニュースオープン!

最近、流行っているらしい。FOREX PRESSもゴールドニュースという金のサイトを立ち上げた。

▼GOLDNEWS(ゴールドニュース):金・ゴールドに関する情報サイト
▼日本初!金・ゴールドに関する総合情報サイト「GOLDNEWS」サービス開始



通常金価格といえばロコロンドンの1オンス単位のドル価で、昨年11月23日に1734ドルを付けて以来1700ドル手前をうろついていたが、ここにきて大幅な下げを記録(4月12日と15日で1560ドルから1330ドル台まで急落)した。いつだったか、なにかのテレビの特集で、中国人の金関係者が中国マネーは1700ドルまで買いあがるよ、と言っていたのを思い出した。真偽は別として値段的にはその通りになった。キプロスが金を売るというニュースがきっかけだったという説も聞かれるが、理由はどうあれ買い一辺倒だった金も、ついに調整局面に入ったとみるべきか。今から買う人はそれなりに気を付けたほうがいい。



日本で金を投資対象にするには、主によくテレビで何とか商品という会社が宣伝しているようにそういう業者で純金を買うという簡単な方法か、最近証券会社がやっている純金積み立てをするか、外為証拠金取引業者各社が扱っている商品CFDをやるかになる。


純金は買えば金(きん)を持って帰ることになるので、普通は預かり証をもらって現物はもらわない。証券会社が始めた純金積み立ては逆に現物が欲しくてももらえない。つまり現引き(ゲンビキ)できない。おうちで金を触ってみたい、眺めていたいという人以外普通はそんな物騒なものを家に置いておこうとは思わないので、そういう方法でいいのだろう。あとは値上がりを待つのみとなる。気を付けたいのはインフレヘッジとしての金保有を考える場合、これからの時代も果たしてそういう効果が期待できるかということである。現在の金価格が600ドル程度であったならば、そういう疑問を私も持たなかったかもしれないが、投機マネーがどすんと入り込んでの1500ドルのレベルで、これからインフレが始まるとしたら、金価格はそれについていけるだけの魅力を維持していけるのだろうか。根拠があっての話ではないので、これ以上突っ込めないが、漠然とした不安感はある。


金は通貨でもあり、貴金属商品でもある。インターバンクでは普通に金を通貨の一つとして取引している。この為替の業界でも「もう一つの通貨」としてやりたければいくらでもカウンターパーティ(外銀)はレート提供する。ただし提供されるレートはロンドンのトロイオンスベースになり、むろん現物は渡さないので原則NDF/Sになる。私も12年ほど前やろうとしたが、当時は規制上いろいろ気にしなくてはならないことが多く見合わせた。日本では東工取が円建てで金の先物を扱っている。今でも円建てでかつ証拠金でやるとなると店頭では問題があるように思われる。少なくともそういう側面の調整は必要だろう。しかし、ドル建てトロイオンスベースのNDSでやるなら問題はない。

通貨記号はXAU/USD。執筆中今現在、1381ドルぐらいで取引されている。もう400ドルぐらい落ちた。日本の円建ての金価格は常にドル円のレートが影響するので相場観としては 金そのものの価格=XAU/USD x ドル円相場 USD/JPYで見て行かなくてはならない。そういうのが面倒で、金の価値をストレートに取引したいのであればXAU/USDを取引するのがわかりやすい。そうなると商品CFDとして取引するのがベストになる。カラ売りもできる。


海外(特に欧州)の為替ブローカーの画面にはだいたい10セント程度のスプレッドでクォートされている。1672.00 -1672.10という感じである。ロットサイズは100オンス。想定元本で167、200ドルなので、その4%は6、688ドル。円の証拠金だとだいたい60万円ぐらいになる。スワップも発生する。ロングで払い、ショートで受取になる。


現物はいらない、証拠金取引は嫌いという方は純金積み立てになる。ちょいと覗いた証券会社のそのサービスはいわゆるドルコスト平均法のような買い方で積み立てをするモデルであった。毎日定額を買い増していく。それにより為替の変動を“平均化”するのでドル円のリスクには長期的にフラットになる(なくなるという意味ではない)。現物ベースになるのでレバレッジは1倍というか、“ない”のだがその代り手数料が2%強取られる。ただし買うときだけで売るときはない。2%というのは投資リターンを求める世界からすればかなりのコストになる。インフレターゲットを2%におくかおかないかで日銀総裁が辞職するぐらいデフレの経済では果てしない数字である。元本保証ベースで2%なら素晴らしい数字だが、これは元本割れリスクがある。そう考えると1年後に5%以上のリターンが出ないとまったくもって割にあわないと個人的には思ってしまう。ドルベースで見て一年後5%ぐらいのリターンで、手数料分を差し引いて3%程度の利益になる。その間ドル円が今よりも〜っと円安になっていればその分円ベースでのリターンはさらに増える。しかし、そう考えていくと、だったら最初から金はドル建てロンドンのCFDで買い持ちをし、併せてドル円を買い持ちしたほうがわかりやすいではないかと、私のような者は考えてしまう。レバレッジが嫌いならレバレッジ1倍で取引すれば済むことである。またCFDでやると24時間売買ができる。相場の急変にも柔軟に対応できる。現物や積立ではこれはできない。


ちなみに、金は1999年には250ドルぐらいであった。ここ13、4年で6倍以上になったのである。1990年前半は300ドルぐらいだったが、ワリトーとかワリチョーなんか買わずに、金を買っておけばよかったとつくづく思う。



プロフィール

尾関高

Takashi Ozeki

1986年名古屋大学経済学部卒業。1988年サンダーバード経営大学院(アリゾナ州、米国)卒業。主に日短エクスコにて約9年間、インターバンクの通貨オプションブローカーを経験し、1998年からひまわり証券(旧ダイワフューチャーズ)にて日本で最初に外国為替証拠金取引をシステム開発から立ち上げ、さらに、2006年5月に、これも日本で最初にCFDを開始した。
その後米国FX業者でのニューヨーク駐在や、帰国後日本のシステム会社勤務等をへて、現在は、日本の金融システム会社勤務。そのかたわら、本業のみならず、FXや新たな金融市場にかかわるさまざまな分野においても積極的に意見具申中。
拙著に、「マージンFX」(同友館、2001年2月)と「入門外国為替証拠金取引~取引の仕組みからトラブル防止まで~」(同友館、2004年6月)、また訳書「CFD完全ガイド」(同友館、2010年2月、著者:デイビッドノーマン)がある。

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