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「ジョージ・スタインブレナー症候群」に陥らないために・・

ジョージ・スタインブレナーとは、言わずと知れた、米大リーグ、ヤンキースの元オーナー(昨年に死去)の名前です。

彼は、30年以上に亘ってヤンキースの名物オーナーとして君臨した人物ですが、とにかく、金満補強をし続けたことで有名です。他球団で活躍した選手に対して、札束攻勢を仕掛け、巨額の年俸を用意して引き抜き続けたのです。

ところが、前年に活躍した選手がその年や2年後にも活躍したケースはあまりなく、その手腕が問われることも頻繁にありました。そして、むしろ彼がオーナー職を離れていた時に入団した選手の中からヤンキースの柱となる有望な選手が登場したことでも話題となった人物です。

「ジョージ・スタインブレナー症候群」とは、そんな彼のスタイルを皮肉った造語(米ジャーナリストが生んだ)です。要するに、1年前に好成績であっっても、新年度において好成績をもたらす保証はないということ、大事なことは、過去何年にも亘ってコンスタントに好成績を上げる素地が備わっているかであるということです。

例えば、過去5年から10年の間でコンスタントに高収益をもたらす投資スタイルが優れているのであって、過去1年やそこらだけの判断で全てを判断してはいけないということです。

直近の動きの中で好成績であっても、同じ成績が延々と続く保証はありません。本来の「逆張り」の発想はこのようなことも関係しています。つまり、それまで良い成績であったものがそのまま続く確率よりは、逆に悪い成績になってしまう確率が高いということです。

このような考え方をベースに、買い下がり、売り上がりという「逆張り」トレードを行う意味があるということです。もちろん、やみくもに「逆張り」をするのではなく、「トレード技術」で全体観を把握することが前提となります。つまりは、正しい「トレード技術」を用いて、全体観を把握しながらの「逆張り」であってこそ意味があるということです。

尚、短期間の成績にばかり焦点を置き過ぎないことは、「投資技術」を判定する上でも非常に大事なことであり、何と言っても肝心なことは、大きなマイナスに陥らないリスク管理が出来ていること、その上で、ある程度の収益をコンスタントに積み上げることが出来る投資スタイルが望ましいということです。

もし、短期で高収益を稼げると謳っているものが聞こえてきたら、まずは疑ってかかり、安易に信用するべきではありません。そして、その内容をしっかりと検証することが大事だということです。やはり、投資は、長きに亘ってコンスタントに積み上げていくものが王道だと私は思います。

と言うわけで、私は、相場の本質に即した本物の「投資技術」を開発すること、そして、磨くことを自分のライフワークとして、今までやってきています。長きに亘って、相場の荒波に打ち克つことの出来る、一過性でない「技術」の開発にロマンを感じています。「ジョージ・スタインブレナー症候群」に陥らない為に・・・。

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プロフィール

柾木利彦(マーフィー)

Toshihiko Masaki

インテリジェンス・テクノロジーズ代表

1980年、大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)を卒業後、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。
ニューヨーク支店、東京本部の ドル円チーフディーラーを経て、1992年米銀大手の『シティバンク』や欧州系大手の『オランダ銀行』東京支店などで外国為替部長として外銀最大級のトレーディングチームを率いて活躍、現在に到る。その間、「東京市場委員会」での副議長や「東京フォレックスクラブ」委員などを歴任。卓越した市場関連知識でもって、テレビ、ラジオ、新聞などで数多くの情報発信を行い、東京外国為替市場の発展に貢献。自身、過去24年に及ぶトレード経験に基づき、独自のチャート分析 (「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」等)を確立。
個人投資家に向けて最強の投資法を伝授することをライフワークとして、現在も精力的に取り組んでいる。

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