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マーフィーの日々是好日

適度のストレスは必要かも?!

前回、ストレス度合いを下げることの大切さ、そして、その為には、ポジションサイズを落とすことの効用についてお話しましたが、今日は、別の観点からストレスについてお話してみたいと思います。

前回は、ストレスはない方が良いと言った趣旨の内容のことを書きましたが、私自身、ストレスなしでトレード出来るとは正直思っていません。ポジションを持っている以上、やはり、ある程度のストレスはつきものであるわけです。

大体、リスクフリーと言うことはあり得ないのが相場の世界です。経済学の教科書では、リスクフリーは国債と言われますが、その国債ですら今やリスクが高まっているのが実情です。

そもそも、価格変動は当たり前、一瞬先は闇である相場の世界ですから、ストレスなしでポジションを取れるわけはありません。従って、適度な緊張感があるのがごく自然と考えます。もっと言うと、適度なストレス、適度な緊張感があってこそ、本来のトレードであると言えましょう。

私の相場分析手法では、買いや売りの売買シグナルなり兆候は、安値や高値近辺で出現するのではなく、少し遅れて出現するのが普通です。中には、遅行スパンの陽転や陰転の時など、かなり相場が動いてから売買シグナルが出現することが多いです。

その為、買ってから一旦は押し(下落)が入るとか、売ってから一旦は戻り(上昇)が入ることも決して珍しくありません。特に、スパンモデルについては、買いシグナル点灯時に一瞬高値を付けて反落するとか、売りシグナル点灯時に一瞬安値を付けて反発することは比較的多く発生します。

もっとも、この現象は、スパンモデルシグナル特有の「逆行」というパターンであり、とりわけ、レンジ相場にて頻発するものです。そして、この特性を利用すると、レンジ相場にて極めて有効なトレードが出来ます。スパンモデルシグナルを正しく学んで頂ければ、いかなる場面でも、その売買シグナルを活用出来ることになります。

何はともあれ、自分が買ったり売ったりしたレベルから相場が逆向きに推移することは日常茶飯事です。そして、その度に、「やっぱり」と納得している自分がいるのも事実です。つまり、このような動きは「想定内」であると考えているからです。むしろ、売買してすぐに利が乗ると、逆にあまり心地よくないと思うこともあるぐらいです。

このようなことを背景に、ある売買ポイントで一気にポジションを造成するのではなく、点でなく、ゾーンで捉える感覚で、少しずつポジションを増やしていく、分けてポジションを持つようにしているわけです。

そうは言うものの、もちろん、売買してすぐに評価益が出ないのが普通であることから、当然のことながら、ストレスを抱える時間が生じるわけです。そして、私は、この程度のストレスはむしろ「必要なもの」と考えています。

人間はそもそも生きていく上で様々な恐怖感を抱く場面があると思いますが、この恐怖感を背景とした一種のストレス限界(ストレスポイント)があるとしたら、この限界を超えない程度で、限界内の程度のストレスは抱えておいた方が良いとすら考えています。

その方が、自分自身、成長の糧を得る気がしますし、何とか改善しようという気持ちも湧いてくるからです。「修業」と言う言葉ありますが、トレードを通じた精神修業のような場であると思うのです。と言うわけで、ある程度のストレスはないよりあった方が良いというのが私の考えです。

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プロフィール

柾木利彦(マーフィー)

Toshihiko Masaki

インテリジェンス・テクノロジーズ代表

1980年、大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)を卒業後、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。
ニューヨーク支店、東京本部の ドル円チーフディーラーを経て、1992年米銀大手の『シティバンク』や欧州系大手の『オランダ銀行』東京支店などで外国為替部長として外銀最大級のトレーディングチームを率いて活躍、現在に到る。その間、「東京市場委員会」での副議長や「東京フォレックスクラブ」委員などを歴任。卓越した市場関連知識でもって、テレビ、ラジオ、新聞などで数多くの情報発信を行い、東京外国為替市場の発展に貢献。自身、過去24年に及ぶトレード経験に基づき、独自のチャート分析 (「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」等)を確立。
個人投資家に向けて最強の投資法を伝授することをライフワークとして、現在も精力的に取り組んでいる。

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