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マーフィーの日々是好日

「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」の活用方法

本日発行しました「無料メルマガ」では、私の「スパンモデル」及び「スーパーボリンジャー」の活用法について触れておりますので、ご参考の為にこちらにも掲載致します。どうぞ、ご参考にして下さい。


■それにしても、昨日8日(金曜日)の米国雇用統計後の動きには凄まじいものがありました。まさに乱高下でした。しかし、この乱高下というのも、1分足の世界では「トレンド」が生じていたりするものです。と言うわけで、今回も実践的な内容ということで、「トレンド」についてお話したいと思います。

よく「トレンドに乗る」とか、「トレンドフォローのトレードを行う」とか言いますが、「トレンド(Trend)」とは、すなわち、傾向、風向き、流れ、方向、動向と言う意味です。相場に参加するには、この相場の「トレンド」を把握することが実に重要な作業となります。つまり、上昇トレンドであれば、ロング(買い)ポジションを、下降トレンドであれば、ショート(売り)ポジションを造成することで、収益を上げることが出来るからです。

トレンドをいち早く見出し、出来るだけ早いタイミングでそのトレンドに乗ることが出来れば、成功トレードを実現する確率が増すというわけです。「相場はタイミングがすべて」とはよく言われる言葉ですが、その意味するところは、トレンドの発生のタイミングに乗り遅れないことが大事だということです。要するに、いくら上昇トレンドであると「予測」していても、しかるべきタイミングでロングポジションを持たなければ意味がない、いくら下降トレンドであると「予測」していても、しかるべきタイミングでショートポジションを持たないと意味がないわけです。

さて、この辺りまでは、ほとんどの方が納得して頂けることかと思いますが、問題は、この「トレンド」をどのように把握するかという方法論、そして、さらには、各個人投資家にとっての具体的な判断基準です。言い換えると、「トレンド」の把握方法をマスターすることが大切であると同時に、それぞれの個人投資家が置かれたトレード環境の下で、どの時間軸を対象にして、トレンドを追っていくのが良いのか、そして、トレードしていくのが勧められるのかという問題です。

早い話が、人それぞれ、相場を追っていく、トレードを行っていく上での軸となる時間単位が異なるということです。ある人達は、日足ベースで相場を追うでしょうし、中には、週足や月足まで拡大して、相場のトレンドを追うケースもあると思います。一方、ある人達は、日中、デイトレードを行うべく1分足や5分足、もしくは60分足を軸に相場を追っていくでしょう。

そもそも、相場の「トレンド」と言っても、日足や週足、さらには月足ベースでの「トレンド」もあれば、60分足、5分足、1分足等の短期の時間軸での「トレンド」も存在します。さらに言えば、例えば、日足ベースで「トレンド」らしきものが存在しなくても、60分足や5分足などでトレンドが存在していることもあり得ます。

この点、60分足で相場を追っていると、1年の内には、星の数ほどのトレンドが出現していることが分かります。一方、日足ベースで追っていくと、トレンドはそれほど生じていないことも分かります。具体例として、この最近1カ月のドル円相場ですが、為替介入があったにせよ、86円から82円の間でのレンジ相場という見方が出来る一方で、86円近辺から82円までの下落トレンドという捉え方も出来ます。

また、ユーロ円に関しては、週足ベースで見ると、116円と106円の間のレンジ相場という見方が出来る一方で、日足ベースで見ると、106円から115円への上昇トレンドという捉え方も出来ます。外国為替相場(FX)に関して、週足ベースでトレードする人は世の中にはあまりいないにせよ、時間軸によってトレンドのあるなしの判断が異なってくるとの基本的な考え方はご理解頂けると思います。

実際のトレードに即して考えると、日足ベースにてレンジ相場であっても、60分足ベースでは、トレンドが発生しているケースは数多く見られるということです。先ほど書きました通り、星の数ほどトレンドが生じているのです。従って、個人投資家の多くの方が、主にその日の内に売買が完結するデイトレードや、宵越しから数日程度で売買が完結するスイングトレードを行っている現状から判断して、60分足ベースにて相場を追うのが極めて実践的と考えられます。

以下のブログにて、毎日、トレードの参考例として60分足を主に取り上げているのも上記のことが背景であり理由です。

ブログ「マーフィーの最強FX投資法を伝授」


■さて、それでは、「スパンモデル」及び、「スーパーボリンジャー」にてトレンドを把握する方法を簡単にご紹介したいと思います。

まずは、「スパンモデル」を使った把握の仕方、判断方法です。

1)スパンモデルのシグナル転換の確認

2)遅行スパンの転換の確認

3)ローソク足終値と青色スパン(青色ライン)との位置関係をチェック

の3点が主なポイントです。

(1)については、すでにご承知の方も多いと思いますが、スパンモデルは、どの局面でも、青色ゾーンと赤色ゾーン、どちらかが出現しています。ゾーンとは、青色スパン(青色ライン)と赤色スパン(赤色ライン)の2本のラインに挟まれた部分を指します。そして、青色ゾーンが出現している局面では、買いが優勢、赤色ゾーンが出現している局面では、売りが優勢であることを示します。

そして、青色ゾーンは、別名、サポートゾーン、赤色ゾーンは、レジスタンスゾーンと呼びます。青色スパンと赤色スパンがありますが、より重要なのは青色スパンの方です。青色ゾーンが出現している局面では、青色ゾーン(サポートゾーン)の上限ラインである青色スパンが相場を支える重要なラインです。一方、赤色ゾーンが出現している局面では、赤色ゾーン(レジスタンスゾーン)の下限ラインである青色スパンが相場を抑える重要なラインです。

(3)にて触れている通り、ローソク足の終値と青色スパンの位置関係が重要なチェックポイントとなります。すなわち、原則として、上昇相場、とりわけ、巡航速度の上昇相場であれば、ローソク足終値が青色スパンを下回って引けないことが巡航速度の上昇トレンド継続の条件となります。同様に、原則として、下降相場、とりわけ、巡航速度の下降相場であれば、ローソク足終値が青色スパンを上回って引けないことが巡航速度の下降トレンド継続の条件となります。

尚、巡航速度のトレンドとは、収益を上げるには理想的な速度のトレンドを指します。(2)については、遅行スパンが実態ローソク足を上回って推移する(陽転)か、下回って推移する(陰転)かによって判断します。

実態ローソク足とは、遅行スパンと同一時間に位置するローソク足のことです。遅行スパンが実態ローソク足を下から上に横切る、もしくは実態ローソク足に絡む状態から上方向に放れるタイミングは上昇相場に入ることを示す重要なサインとなります。同様に、遅行スパンが実態ローソク足を上から下に横切る、もしくは実態ローソク足に絡む状態から下方向に放れるタイミングは下降相場に入ることを示す重要なサインとなります。

ところで、遅行スパンが実態ローソク足に絡んで推移している局面は、相場が上昇か下降か気迷い、方向感を模索している場面であることを示します。つまりは、ブル・ベアの分岐点に位置していることを示します。

以上が、「スパンモデル」によるトレンドの確認方法です。


■続いて、「スーパーボリンジャー」使った把握の仕方、判断方法です。

1)トレンドが発生する前のローソク足の動きをチェック

2)ローソク足終値とプラス1シグマラインもしくはマイナス1シグマラインとの位置関係をチェック

3)バンド幅の拡大・縮小傾向をチェック

4)遅行スパンの転換の確認

の4点が主なポイントです。

(1)に関しては、相場とは、トレンドが発生する前の前提条件として、あまり動いていない、小動き、膠着相場であることが望ましいということです。つまり、相場が狭いレンジで推移しながら、エネルギーを溜めている状態の方が、次に相場が動きやすいということです。

(2)は、上昇トレンドの場合は、ローソク足終値がプラス1シグマラインを上回って引けること、下降トレンドの場合は、ローソク足終値がマイナス1シグマラインを下回って引けることが条件となることです。尚、終値で判断することが重要なポイントである点、良く覚えておいて下さい。

(3)は、スーパーボリンジャーの各シグマラインによって構成されているバンド幅の拡大傾向を見ることで、トレンド発生の確認が出来ることです。尚、バンド幅が収縮(収束)傾向になると、トレンド性が低くなることを示します。

4)については、「スパンモデル」の遅行スパンの判断方法を参考にして下さい。ところで、ローソク足終値がプラス1シグマラインを上回って推移、バンド幅が拡大傾向、遅行スパンが陽転継続の場合、上昇トレンド継続を示しますが、やがて、ローソク足がプラス1シグマラインを下回って引ける時点で、上昇相場が一旦は終了したことを示します。

もちろん、再度、プラス1シグマラインを上回って引ける場合は上昇トレンドに回帰することになります。その後、プラス1シグマラインを下回って引けた相場は、センターライン、マイナス1シグマライン、マイナス2シグマラインを目指して下落、調整局面入りすることになります。

尚、この間、遅行スパンが陽転している限りは、基調としての上昇トレンドに変化ないと見ます。同様に、ローソク足終値がマイナス1シグマラインを下回って推移、バンド幅が拡大傾向、遅行スパンが陰転継続の場合、下降トレンド継続を示しますが、やがて、ローソク足がマイナス1シグマラインを上回って引ける時点で、下降相場が一旦は終了したことを示します。もちろん、再度、マイナス1シグマラインを下回って引ける場合は下降トレンドに回帰することになります。

その後、マイナス1シグマラインを上回って引けた相場は、センターライン、プラス1シグマライン、プラス2シグマラインを目指して上昇、調整局面入りすることになります。尚、この間、遅行スパンが陰転している限りは、基調としての下降トレンドに変化ないと見ます。

以上が、「スーパーボリンジャー」によるトレンドの確認方法です。


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たまにのぞいて頂くと幸いです。ここぞと言う時につぶやくようにしたいとは思っていますが・・。


プロフィール

柾木利彦(マーフィー)

Toshihiko Masaki

インテリジェンス・テクノロジーズ代表

1980年、大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)を卒業後、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。
ニューヨーク支店、東京本部の ドル円チーフディーラーを経て、1992年米銀大手の『シティバンク』や欧州系大手の『オランダ銀行』東京支店などで外国為替部長として外銀最大級のトレーディングチームを率いて活躍、現在に到る。その間、「東京市場委員会」での副議長や「東京フォレックスクラブ」委員などを歴任。卓越した市場関連知識でもって、テレビ、ラジオ、新聞などで数多くの情報発信を行い、東京外国為替市場の発展に貢献。自身、過去24年に及ぶトレード経験に基づき、独自のチャート分析 (「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」等)を確立。
個人投資家に向けて最強の投資法を伝授することをライフワークとして、現在も精力的に取り組んでいる。

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