「アクティベート時間分析」について(続編)
以下は、先ほど発行しました「無料メルマガ」からの抜粋です。今回も、前回に続いて、「時間分析」について触れています。ぜひ、参考にして頂ければ幸いです。
■前回に続いて、「時間分析」(「アクティベート時間分析」)について触れてみたいと思います。今回は、特に、「時間分析」を行った上で実際のトレードに応用する際の注意点についての述べたいと思います。
まず、ベースとなる考え方は、「相場は時間で動いている」ということです。これは、相場の世界の真理であり、まぎれもない事実です。具体例として、「タイムサイクル」というものがあります。これは、ある一定の時間間隔にて、相場の上昇波動、下降波動が起こる、その時間間隔のことを指します。
この時間間隔の計測のスタート時点は、直近の高値でも安値でも良いのですが、時間間隔としては、高値・高値、高値・安値、安値・安値、安値・高値の4通りがあります(この方法は、私の「アクティベート時間分析」の場合です)。尚、タイムサイクル理論の代表的なものの1つに、「メリマン理論」がありますが、それによると、安値・安値だけをサイクルの対象としているようです。
さて、「時間分析」を行う理由というのは、相場の根底を流れている相場のリズムを把握する為なのですが、この分析の目的というのは、市場心理に惑わされずに、相場の天底を探ることです。そもそも、「相場の天底を当てる」というのは、良い意味でも悪い意味でも、大いに大胆な行動であると思います。確かに、誰しも、天井圏で売りたいものであり、安値圏で買いたいものですが、それが実際のところ極めて実現困難なことであることは、皆様ご自身の経験からもお分かりのことと思います。
と言うのも、一般的には、投資家心理というものは、上昇すると買いたくなり、下降すると売りたくなるものです。上昇するともっと上昇しそうな気がする一方で、下降するともっと下降しそうな気になるということです。また、同様に、投資家心理というものは、「値頃感」がどうしても生じやすいものです。小動き、保ち合いの相場がようやく動き出して、ある程度上昇した時に、値頃感から早々と売ってしまったり、ある程度下降した時に、値頃感から早々と買ってしまったりするケースです。さらには、市場心理(センチメント)に影響されて売買を行うと、高値圏で買ったり、安値圏で売ったりする確率が増してしまうのが実情です。
いずれにしても、私達市場参加者が理想とする「高値圏での売り、安値圏での買い」は、極めて実現困難な行為であると考えるのが自然であると思います。そんな難しい相場を相手にする中にあって、この「高値圏での売り、安値圏での買い」という売買を出来る限り可能にさせてくれるのが、「時間分析」です。
ただ、この「時間分析」において、「時間」なるものをどう把握し、計測するかという大きな問題が立ちはだかります。何故なら、そもそも、相場の世界の「時間」とは、精密機械のように、正確に測れるものではないからです。もし仮に、単純明快に時間のリズムが計れるものであれば、初心者であろうが誰でも、簡単に天底を探りあてることで、私達が理想とする売買を行うことが出来てしまうことになります。
しかしながら、現実問題、相場はそれほど単純なものではありません。相場の神様は私達市場参加者に幾つもの試練を与えられるようです。そして、この試練は、私達にとっては、あまりにも酷に映るのですが、実のところ、相場の神様は、「絶妙のタイミング」で時間の影響を与えておられることが分かります。
この「絶妙のタイミング」と言うのは、私自身も何度も経験していることですが、「もうダメだ」と思ったタイミングが究極のターニングポイントであったりしたことは何度もあるのです。私達にとっては、往々にして、「ぎりぎりのタイミング」なのですが、相場の神様にとっては「絶妙のタイミング」であるということのようです。尚、私は決して怪しいことを申し上げていることではなく、皆様ご自身が過去のご自身のトレードを振り返られることで、充分に納得頂けることだと思う次第です。
それでは、以下、「時間分析」におけるこの大事なポイントについて、さらに言及してみましょう。
■「時間分析」に際して、一般的に陥りやすい誤解というのは、ある特定の時間帯(日、週など)に予想された高値もしくは安値が出現し、その次に続く時間帯から相場トレンドの方向が転換するというものです。転換とは、相場が、それまでのトレンド方向から逆向きのトレンド方向に変化するという意味です。
しかしながら、実際の相場にて、高値もしくは安値が出現しない場合や、その次の時間帯から相場トレンドの方向が転換しない場合に、この「時間分析」は信頼出来ないと考えてしまう傾向があるということです。このような見解は、最も広くみられるものです。元来、「時間分析」というのは、一般的なテクニカル分析と異なって、白黒はっきりとさせる特徴があるため、その通りに相場が展開しない場合に、市場参加者は混乱、困惑、失望、怒りを覚えることがあるということです。
このことは非常に残念なことなのですが、結局のところ、「時間分析」の意味を十分に理解し、その利用の仕方を学んで頂かないと、結局は「生兵法は大怪我のもと」となりかねないということです。そこで、今回は、「時間分析」を行うにあたっての幾つかの大事なことをお伝えします。
1)「時間分析」には、誤差が存在し得るということ。
2)「変化時間帯」とは、相場の転換が起こるとは限らないこと、つまり、相場トレンドの延長もあり得るということ。
3)小さなタイムサイクルが狂う場合は、より大きなタイムサイクル、もしくは他のタイムサイクルが影響を与えていると考えられること。そして、その都度、修正を加えていく必要があるということ。
4)「変化時間帯」とは時間の節目ということですが、この時間の節目を越えて相場が転換しない場合は、すでに続いている相場トレンドの延長となった可能性があり、次なる時間の節目を目がけて推移していく可能性があるということ、などなどです。
ところで、「誤差」と判断するか、トレンドの「延長」と判断するかについては、ここで簡単に説明することは難しいです。ただ、大事なことは、「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」を併用して、相場トレンドの有無や強弱の判断を行うことです。
日常の実際の売買のタイミングを探る上では、「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」を軸にして、対処することが大事だということです。また、相場の「大局観」は、「アクティベート時間分析」だけでなく、「日足スパンモデル」や「日足、週足スーパーボリンジャー」を駆使して把握することも大事です。ここで、「週足スパンモデル」はあまりにも長い時間軸となってしまい、実際のトレードを行う上では効用が薄れてしまうと考えます。ですから、「スパンモデル」については、最大の時間軸でも日足までとしておくのが無難です。
いずれにせよ、相場分析なり、トレード方法は、「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」「アクティベート時間分析」の3本柱で行うことが大切ということです。そして、「時間分析」に際して、根本的に大事なことは、相場のトレンド方向について、相場の推移に応じて、その都度、修正を加えながら判断していくということです。
相場トレンドの方向性に関して、決めつけるような固定的な相場観を持つことなく、柔軟に、目の前の相場の展開と向き合って、相場の流れをその都度把握することが肝要です。さもないと、自分が造成したポジションにて評価損が発生した場合に、ただ、そのポジションをキープしたいが為の「言い訳」や「こじつけ」を求めて、「時間分析」に頼ってしまうことになりかねません。
前回号でもお伝えしたことを繰り返すと、相場の大局観を、まずは「アクティベート時間分析」や、日足、乃至は週足ベースの「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」を用いて把握すること、そして、その上で、日々のマーケットの中でのエントリーや手仕舞いのタイミングを、60分足や日足ベースの「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」で判断していく手法を身につければ、より的確な水準での売買を行うことが出来るようになるということです。
そもそも、相場というものは、人気に逆らう、大衆意見の逆を行けば、利益に繋がり易いと言いますが、何ら判断基準を持たずに闇雲に逆らっているだけでは、結局は、良い結果にはつながりません。むしろストレスだけを溜めるだけとなり、精神衛生上良くないと言えるわけです。
正しくは、根拠ある判断基準、つまりは、いつも申し上げている「トレード技術」をしっかりと持つことで、市場心理に流されず、今瞬間の相場と向き合い、仲良く付き合うことが出来れば、自ずと結果はついてくるということでしょう。アクティベート時間分析」は、冷静に時間の経過を待つということの指針ともなり、ともすれば相場に飛び込みたくなる衝動を抑えてくれる緩衝材ともなり得るものです。
このようにして、「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」「アクティベート時間分析」の3本柱を駆使することで、相場と友達になって、良い付き合いをし、結果として、生涯収益(キャリアプロフィット)の拡大に努めることが出来るということです。ただ、今回号でお伝えしたい大事なことは、「アクティベート時間分析」を正しく理解し、正しく利用することが何よりも肝要であるということです。
さもないと、自分のポジションをキープする為の言い訳、口実に利用してしまうという、本末転倒の結果となってしまうということです。どうぞ、くれぐれも、この大事な点をご理解頂きたいと思います。
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