先入観を持つことの怖さ
相場に入る時に危険なことは、事前に、先入観、つまりは、凝り固まった相場観を持ってしまうことだと思います。
凝り固まった相場観を持つと、どんな相場の動きを見ても、その相場観を前提に判断してしまうことになります。一例として、もし、凝り固まった「ベア」な相場観を持っていると、実際の相場が上昇トレンドにあるにもかかわらず、常に売りのチャンスに見えてしまいます。
そして、少し下げ始めると、自分の「ベア」な相場観にさらに自信を深めてしまいます。一方、仮に、自分が売ったレベルからさらに相場が上昇したとしても、ナンピンのチャンスとばかりにさらに売り増しする危険を冒してしまいます。
つまりは、凝り固まった相場観がベアであれば、どんな相場を見ても「売り」にしか見えないわけです。
現実に目の前で動いている相場を真正面から観察することが出来ないという事態はとても危険だと思います。冷静に、そして、客観的に判断する精神状態でない以上は、どのチャートを見ても、その凝り固まった相場観をベースに判断を下してしまうわけです。
私は、昔、「ファンダメンタルズ」に拘って相場観を持っていた当時は、上記のような過ちをよく犯していました。相場材料が「ファンダメンタルズ」であるわけですから、そう簡単に相場の方向が変化するとは考えられなくなってしまうわけです。また、ある権威ある方の相場観を信じてしまうと、それはそれで同様の結果となってしまいます。
大事なことは、目の前の相場を自分の尺度で、客観的に判断出来るようになること、そうすれば、たとえ間違ったとしても、すぐに修正が自分で出来るようになります。すなわち、自助努力がとても大切だということです。
ちなみに、ここで申し上げている「自分の尺度」というのは、やはり、「チャートに聞く」ということになります。俗に言う「テクニカル分析」と言ってしまうと、あまり響きは良くないですが、私なりには、科学的根拠に基づいた分析手法ということになります。
これは、つまり、私の場合、「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」「アクティベート時間分析」という、三種の神器に従った相場分析手法ということです。
自分自身の尺度が確立しているわけですから、自分で納得出来ることになり、その結果、方向転換も簡単に出来るようになります。そうすれば、相場観が凝り固まってしまうリスクは大きく減少すると思います。
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