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マーフィーの日々是好日

「ナンピン」の心理的背景

俗に言う「ナンピン買い」「ナンピン売り」を行う際の心理的背景について考えてみたいと思います。ただし、ここでは、否定的な意味合いでの「ナンピン」を扱います。つまり、私は肯定的な意味合いの「ナンピン」もあると考えるからです。

まず、「ナンピン買い」とは、既に買ってある買い(ロング)ポジションのコストを薄める為に、既に買った時のレベルより安い価格にて、追加で買うことです。既にあるポジションは評価損を抱えている中で、追加のポジションをより安く買うことで見た目のコストを「改善」する目的で行う行為です。「ナンピン売り」は売り方向のケースです。

元々、株式市場にて使われた手法として広まったために、買い方向のケースが一般的であったようですが、FXの場合は、売り買いに拘らず、コストを薄める目的に利用される方法と言えましょう。

さて、問題となる「ナンピン買い(売り)」の心理的背景はと言うと、2つのポイントがあると私は考えます。1つは、自分がミスを犯したことを認めたくないという、人間本来の「エゴ」です。間違った判断で買ったことに気付いた時に、損失を出してポジションを手仕舞うことは精神的苦痛を伴うから、損切りをしたくないということです。

逆に少しでも、利食いをすることが出来れば良い気分になることから、その利食いのチャンスをより得やすくする目的で、見た目のコストを改善しようとします。それが「ナンピン」という行為を生むわけです。

2つ目のポイントは、人は、既に払ったコストを過大評価する傾向にあるということです。このコストが大きいと感じる為に、既に評価損を抱えているポジションを放棄したくないのです。放棄して手仕舞う代わりに、同方向の追加取引を行うことで、まさに言葉通り、コストを薄めようとするわけです。

上記のような行為は、客観的に考えて、非合理的と判断出来るにもかかわらず、心情的には止めることが難しいという側面があります。つまり、一般的に言って、人間とはそれほど弱い精神構造を持っているということです。

結局、私達は人間らしく振舞おうとすればするほど、上手くトレード出来ないということかもしれません。トレードを難しくしているのは、実は、私達の中にある弱い心そのものが原因だと思うのです。

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プロフィール

柾木利彦(マーフィー)

Toshihiko Masaki

インテリジェンス・テクノロジーズ代表

1980年、大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)を卒業後、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。
ニューヨーク支店、東京本部の ドル円チーフディーラーを経て、1992年米銀大手の『シティバンク』や欧州系大手の『オランダ銀行』東京支店などで外国為替部長として外銀最大級のトレーディングチームを率いて活躍、現在に到る。その間、「東京市場委員会」での副議長や「東京フォレックスクラブ」委員などを歴任。卓越した市場関連知識でもって、テレビ、ラジオ、新聞などで数多くの情報発信を行い、東京外国為替市場の発展に貢献。自身、過去24年に及ぶトレード経験に基づき、独自のチャート分析 (「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」等)を確立。
個人投資家に向けて最強の投資法を伝授することをライフワークとして、現在も精力的に取り組んでいる。

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