マーケットは、私たちに何度も試練を与えにくる
タイトルの意味は何かというと、私達がトレードをしている時、マーケットは、私達のトレード能力を何度も試しにくるということです。言わば、私たちに試練を与えにくるということです。つまり、私達が自分の相場観でポジションを持っている時に、果たして、どこまで確固たる根拠に基づいてポジションを造成し、その後キープしているのかをテスト(試験)するわけです。
例えば、何となく市場の雰囲気を感じて半ば「勘」に近い感覚で持ったポジションの場合は、マーケットレートが少しでも自分のポジションに対して逆向きに動いてくると突如として不安になるものです。そして、自分のポジションのコストを割ってくると、自己嫌悪に陥ったり、市場のせいにしてみたり、急激にストレスが高まります。
そんな時、潔くロスカットをする人もいれば、自分のポジションに執着してしまう人もいます。いずれにしても、マーケットはこちらのトレード能力を試しにくるのです。
また、自分の相場観が結果として正しい場合でも、ポジション造成のタイミングから、利食いという果実を得るまでの間、そのポジションを振り落とそうとする動きがマーケットでは生じます。例えば、ロングポジションの場合、何度も、反落する場面が出現します。その度毎に、「ウィークハンド(弱く自信のない人)」はポジションを切らされる羽目になります。
後になって、「あの時のポジションは一体どこへ行ってしまったんだろう」と嘆くことは特段珍しいことではありません。つまり、相場観はたまたま正しいということはあっても、しっかりとした利食いという形で手仕舞いするまでの道のりは決して平坦ではないということです。
言い換えると、相場観ではトレードは出来ないということです。どうなれば買う、どうなれば売る、という「ルール」があって、それを自分の決断で淡々と下していくという、まさに「トレード技術」を持っている人だけが、結果として生き残ることが出来るわけです。
また、「トレード技術」を頭では分かっていても、実際の相場の動きの中で、自分の「ルール」を遵守出来るかどうかの精神力もテストされます。
そういった総合的なトレード能力を、マーケットは何度も試しにきます。そして、まるで市場の神様が私達のポジションを完璧に知っているのかと思えるほど、実に不思議なくらいマーケットは私達のポジションを揺さぶりにくるのです。
しかしながら、もし、自分の信念に基づいた確固たる「トレード技術」なり「トレードルール」があれば、そのような荒れ狂うマーケットの動きに呑みこまれる確率は小さくなります。
結局は、マーケット力学と自分のトレード能力との一騎打ちと言っても過言ではなさそうです。相場をやるとは、それほどの真剣勝負と言っても良いかもしれないということです。
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