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マーフィーの日々是好日

「コストを忘れることの大切さについて」

「コストを忘れること」の大切さについてお話します。

私達はトレードしていて、自分が持っているポジションのコストを気にする傾向があります。幾らで買ったから、幾ら以上で売れば利益になる。幾らで売ったから、幾ら以下で買わないと損失になる。

このように、四六時中、自分のポジションのことを考えながら相場を見ている人が多いです。しかし、この自分のポジションのコストを忘れることが出来ることが、トレードで成功する為の近道です。

自分のポジションを前提にして相場を見ていると、どうしても、希望的観測が先に立ちます。先ほどの、「取らぬたぬきの皮算用」の通り、自分の都合ばかり考えてしまうのです。

このような心構えをしていると、自分勝手に相場を解釈してしまうことになります。そこには、もはや相場を敵に回してしまっている自分しか存在しません。自分のポジションのコストのことを相手の相場が考慮して動いてくれるわけなどありません。

もはや、相場は見えなくなってしまっているのです。

仮に、せっかく「スパンモデル」がシグナルを点灯させていても、または「スーパーボリンジャー」が相場の地合い変化を示していても、無視することになってしまいます。

しかし、この自分のポジションのコストを忘れることが出来れば、相場が見え始めます。相場が上昇すると判断すれば、ロングポジションを造成し、下落すると判断すれば、ショートポジションを造成出来るようになります。

ロングポジションを持っていて、相場が下落すると判断すれば、ポジションを手仕舞うか、サイズを減らすことが出来るようになります。ショートポジションを持っていて、相場が上昇すると判断すれば、ポジションを手仕舞うか、サイズを減らすことが出来るようになります。さらに、利食いや損切りに拘ることはなくなります。

買った価格よりも高く売る、もしくは売った価格よりも安く買えば利食いです。買った価格よりも安く売る、もしくは売った価格よりも高く買えば損切りというだけです。利食いは損切りは、ポジション調整の結果に過ぎないのです。

そして、私達には、相場のトレンド性を判断する強力な道具を持っていることを忘れてはなりません。この道具に従って相場を正しく判断すれば、恐怖感を持たず売買出来る頻度が上がります。その結果、ポジションのコストが気にならなくなります。

このような状況になれば、すでに、1つ大きなハードルを越えたことになります。相場に参加するとは、自分の人間力、精神力を高めることでもあります。自分の投資能力の成長度の一つの尺度が、この、自分のポジションのコストを忘れることが出来るかどうかなのです。


■前回「ツイッタ―」を始めたとお伝えしましたが、毎日、少しずつ、マーケットについて語っています。

名前は murphyFX です。

気楽に書けるところが、「ツイッタ―」のメリットかなと思っていますが、それでも、真剣に書いているつもりです。たまにのぞいて頂くと幸いです。


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プロフィール

柾木利彦(マーフィー)

Toshihiko Masaki

インテリジェンス・テクノロジーズ代表

1980年、大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)を卒業後、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。
ニューヨーク支店、東京本部の ドル円チーフディーラーを経て、1992年米銀大手の『シティバンク』や欧州系大手の『オランダ銀行』東京支店などで外国為替部長として外銀最大級のトレーディングチームを率いて活躍、現在に到る。その間、「東京市場委員会」での副議長や「東京フォレックスクラブ」委員などを歴任。卓越した市場関連知識でもって、テレビ、ラジオ、新聞などで数多くの情報発信を行い、東京外国為替市場の発展に貢献。自身、過去24年に及ぶトレード経験に基づき、独自のチャート分析 (「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」等)を確立。
個人投資家に向けて最強の投資法を伝授することをライフワークとして、現在も精力的に取り組んでいる。

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