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マーフィーの日々是好日

相場が「材料」を作る?!

一般的には、相場は「材料」があって動くと考えられています。また、これは「常識」とされているようです。何か経済指標の発表や重大イベント等があって相場が変動していると考える人が多数であることは当然のことかもしれません。

確かに、実際の相場を見ていると、短期的には正しいと私も思います。事実、例えば、昨日のマーケットでは○○○という「材料」があって相場が「上昇(下降)した」という解釈は成り立つからです。

しかしながら、私は、相場は「材料」で動いているのではなく、相場が「材料」をつくっていると考えています。まさにパラダイムシフト的な見方かもしれません。

要するに、短期的には「材料」をきっかけで動くことが多いものの、中長期的には、「相場力学」で動いているということです。ここで言う「相場力学」とは、上昇力なり、下降力なり、相場そのものに内包される力です。

一般的に聞かれるのは、短期的にはテクニカルで動いているけれども、中長期的には、ファンダメンタルズで動いているという見方です。ところが、私の考え方は全く逆です。つまり、短期的には、経済指標等のニュースや諸々の材料で動くけれども、中長期的には、相場の力、つまり、「相場力学」で動いていると考えています。

そして、この相場力学を計る上で「チャート」を観察する必要があることから、あえて、中長期的な動きは「テクニカル」に影響を受けるということになるわけです。まさに、世の中の見方と真逆であることになります。

このことを説明する上での具体例の1つが「為替介入」です。よく、為替介入が入ることで、それまでの相場が変化すると言われます。しかしながら、過去長きに亘る歴史において、為替介入が、即刻、相場の方向を変化させた例はほとんどありません。

むしろ、為替介入が入ることによって、それまでの流れがさらに加速することがあるのです。例えば、政府・日銀がドル買い介入を行うことで、短期的には、一旦はドル上昇するものの、そこから強い下落トレンドに入るケースです。また、逆もあります。ドル売り介入を行ったものの、介入で急落したところから大量の買いが入り、さらに新高値を更新した例もあります。

ところが、介入が失敗したと思いきや、その後、ある一定期間が経って、相場が介入の方向に変化し始めるタイミングがあります。これが、まさに、相場の潮目が変化するということです。この時の介入は効果があります。相場の流れを一気に変化させるからです。

つまりは、介入イコール相場の変化ではなく、相場の流れが変化するタイミングで介入が行われると効果が倍増し、相場が本格的に変化するということです。すなわち、相場そのものが介入の効果を決定づけているとも言えるわけです。これが、相場が「材料」をつくる、の意味です。

上記は、私が「ファンダ(不安だ)メンタルズ」よりも、「テクニカル分析」を重視している背景でもあります。そもそも、「ファンダメンタルズ」も、そのものに内包される「力学」で動いているとすら私は思っています。

先ほどの「為替介入」の例だけでなく、過去の外国為替相場の長い歴史において、ファンダメンタルズ面で重要な材料、要因は、相場状況に応じて、その都度変化してきたのです。

米国経済指標絡みだけをとっても、かつては、米国のマネーサプライが注目された時期もありました。その後、米国貿易収支や米国財政赤字等が重要材料となり、さらに、米GDP、そして米雇用統計が市場の注目要因となってきたわけです。まるで、その時々の「ファッション」のように目まぐるしく変遷してきたことが分かります。

その一方で、チャートでの判断方法は、昔から一貫して変化していないという厳然とした事実があります。むろん、ここで言う「チャート」による分析方法にも千差万別であり、あくまで正しい「相場判断技術」を指しています。

「相場のことは相場に聞け」という格言がありますが、言葉より遥かに深淵な意味合いが込められているのだと思います。まさしく相場そのものにおける「相場力学」の究明こそが、相場の波に乗る上で最も大切なことだと考える次第です。

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プロフィール

柾木利彦(マーフィー)

Toshihiko Masaki

インテリジェンス・テクノロジーズ代表

1980年、大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)を卒業後、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。
ニューヨーク支店、東京本部の ドル円チーフディーラーを経て、1992年米銀大手の『シティバンク』や欧州系大手の『オランダ銀行』東京支店などで外国為替部長として外銀最大級のトレーディングチームを率いて活躍、現在に到る。その間、「東京市場委員会」での副議長や「東京フォレックスクラブ」委員などを歴任。卓越した市場関連知識でもって、テレビ、ラジオ、新聞などで数多くの情報発信を行い、東京外国為替市場の発展に貢献。自身、過去24年に及ぶトレード経験に基づき、独自のチャート分析 (「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」等)を確立。
個人投資家に向けて最強の投資法を伝授することをライフワークとして、現在も精力的に取り組んでいる。

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